- 出演者
- 辻浩平 藤重博貴 酒井美帆
インドネシアのワンギワンギ島を取材。今問題となっている海洋破壊の一つが海洋プラスチックごみ。海洋汚染は海の恵みに支えられて生きる人々の生活に深刻な影響をもたらしている。
オープニング映像が流れ出演者があいさつ。
「海洋汚染、悩む“海の民”」などのニュースラインナップを伝えた。
気候変動への対策を話し合う国連の会議COP30が日本時間の今夜、アマゾン地域にあるブラジルのベレンで開幕。焦点は、気候変動対策に否定的な対応をとるアメリカのトランプ政権を念頭に各国が協調して成果を打ち出せるか。ベレンからサンパウロ支局長の吉永智哉が報告。今回はパリ協定採択から10年の節目。世界の平均気温上昇を産業革命前と比べ1.5度におさえる目標に向け、温室効果ガスの削減策などについて議論が行われる見通し。ただ、今月9日時点で新たな排出削減目標を提出したのは195の国と地域のうち100余。今年9月までに提出された目標値を積み上げても1.5度にはほど遠い水準と指摘されている。
COP30開幕の開催地にはアマゾン地域の都市であるブラジル北部のベレンが選ばれた。参加者の宿泊施設の確保が課題になっている。開幕直前の今月5日の時点で28か国の代表団が宿泊先を確保できない。街の人たちからはCOP開催に期待する声が聞かれた。期間中は約5万人が滞在予定だがホテルは1万4,000人分しか用意できていない。地元メディアによると、一部ホテルは1泊16万円と従来の80倍にまで高騰。環境団体の関係者は、手ごろな宿泊施設の確保が難しく渡航の可否を決めかねている人たちもいるなどと話した。日本の環境NGOの辻田創は、日本の団体で来たかったが来られない人もいたと思うなどとコメント。ブラジル政府はクルーズ船2隻を臨時の宿泊施設として活用。6,000人ほどが滞在可能。さらに民泊や学校も利用し5万3,000人分を用意したと説明。アメリカ政府が政府高官の派遣を見送る中、各国の代表団の欠席が広がれば途上国や市民社会の声を交渉に反映することが困難になると専門家は指摘。東京大学未来ビジョン研究センターの高村ゆかり教授は、国以外の主体の声を反映できるかがCOP30成功を図る大きな評価軸になるなどと述べた。
インドネシア東部のスラウェシ島マカッサルからの中継で酒井キャスターが報告。首都ジャカルタから1500キロほど離れた島。河口付近や海にはたくさんのプラスチックごみが浮かんでいた。愛媛大学の日向博文教授によると、南シナ海通過流、インドネシア通過流が都市部のごみを他の島々に運ぶ可能性。酒井キャスターはワンギワンギ島を取材。バジャウと呼ばれる海洋民族が漁業を生業とする生活を保ち続けてきたが、その伝統が存亡の危機に瀕している。COP30開幕に先立って行われた首脳級会合では、温室効果ガスの削減につなげようと熱帯雨林を保全するための基金が立ち上げられた。総額19兆円規模を目指しノルウェーやブラジル、インドネシアが資金拠出を表明。インドネシアは人口が東南アジアで最も多く、二酸化炭素排出量も東南アジア最大。インドネシアは海を漂うプラスチックごみ問題に直面。UNEPによると世界では毎年、約1100万トンのごみが川や海に流出。
酒井キャスターはジャカルタから飛行機と船を乗り継ぎ、インドネシアのワンギワンギ島へ向かった。漂流したごみが海洋民族バジャウ族の家々にまで押し寄せ、家の下まで大量のごみで埋め尽くされている。バジャウ族はかつて船の上に住み海を移動しながら暮らす民族として知られたが、現在は浅瀬にくいを打って建てた高床式の家や埋め立てた土地に建てた家に住み、漁をして暮らす。バジャウ族の漁師であるジョノは、船のスクリューにごみが引っかかり漁を中断することもある。船を動かせるようにごみをかき分けるのが漁に出る前の大仕事。以前は家の近くで漁をしていたが今はごみが少ない場所を探し遠くまで移動しなければ漁をできなくなった。船の燃料代も家計を圧迫。ジョノは力を振り絞り闘っているなどと話した。2人の子どもたちには厳しい環境で漁師になるより別の道をと、家を担保に借金して大学に進学させた。それでも自分の代までは伝統の生き方を貫き海を守りたいという。
酒井キャスターが漂着ごみに苦悩するバジャウ族を取材し、インドネシアのマカッサルからの中継で報告。漁師のジョノは漁一筋で家族を養ってきた。その涙を見て海を恵みを糧に生きてきた人たちにしわ寄せがいく現実から目を離してはならないと感じた。プラスチックは微生物に分解されにくいため海に流れ出ると数十年や数百年、海を漂流。島に漂着したごみは人の手で取り除かない限りたまる一方。
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- バジャウ族マカッサル(インドネシア)
酒井キャスターがインドネシアのワンギワンギ島で海洋汚染対策を取材。沿岸からほど近い集落にも海水が流れ込んでいた。プラスチックごみが浮き、底にも堆積。ワンギワンギ島出身のソルは昔のようなキレイな海を取り戻したいと2年前からごみの清掃を始めている。地元政府の清掃員は道路などを中心に清掃しているため作業が行き届かない。地元政府によると、ごみが増え始めたのは2003年で、住民が増え始めた時期。ソルは自身のSNSにもごみ問題について投稿し、状況の改善を呼びかけている。当初は村のイメージが悪くなったと住民からは反発の声も上がっていた。ごみが徐々に少なくなっていくと地元政府や住民も協力し、自主的に清掃活動に参加するようになった。今ではソルが地元の環境局に電話をするとごみを回収してくれるようになった。
漁業を生業する漁師たちの環境に対する意識の変革も進められている。バジャウ族で元漁師の男性はWWFと協力。地元の漁師たちに漁獲量の安定を目指すとともに環境に配慮した漁業方法を伝えている。男性は知識を皆で共有し貢献する以外ないなどと話した。
地元政府もワンギワンギ島の自然資源を守るため、ごみ対策に乗り出している。中央政府が主導するシステムも導入しようとしている。その名もごみ銀行。リサイクル可能なごみの回収を進め、銀行は資源ごみを持ち込んだ住民に対価を支払う。インドネシア各地に去年時点で約2万8,000設置。ワンギワンギ島では来年の運用を目指す。島のごみをなくすためには地方政府の力だけでは限界。ワカトビ県の環境局長代理であるサレ・ボーイはインドネシア以外の国からの支援を期待しているなどと話した。
酒井キャスターがインドネシアのワンギワンギ島で海洋汚染対策を取材し、マカッサルからの中継で報告。ワンギワンギ島出身のソルが行うごみの清掃などの活動は想像以上の大変さ。暑い上、ごみは臭いも重さもあり次々と押し寄せてくる。個人で活動するには限界がある。島のごみ問題は消費文化のツケを払わされている構図だという視聴者の声を紹介。プラスチック製品を使う人一人一人の意識と適切に処理する仕組みづくりが問われている。国際社会全体で向き合う必要がある。
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酒井キャスターによる取材は来週月曜日にも伝える。インドネシアの、多様な生き物が暮らし奇跡の海と呼ばれる海域で、サンゴの保全活動に取り組む若者たちを取り上げる。視聴者の声も募集。
イギリスの公共放送BBCがアメリカのトランプ大統領を取り上げた番組を巡って揺れている。問題となったのはBBCが去年のアメリカ大統領選挙の前に放送したトランプ大統領に関するドキュメンタリー番組。2021年1月のアメリカの連邦議会乱入事件の前に行われたトランプ氏の演説の編集を巡り、イギリスの新聞テレグラフが「番組はトランプ氏が暴動を促したように恣意的に編集し視聴者を誤解させた」と報道。番組を巡って、イギリス国内で批判が高まっていた。報道を受け、BBCは9日、番組などの編集責任者を務めるティムデイビー会長が辞任する意向だと発表した。またニュース部門のトップを務めるデボラターネス氏も辞任した。
6日、イギリスでは全国で「戦没者追悼式典」が行われた。ロンドンでは、チャールズ国王やウィリアム皇太子が参加。2度の世界大戦や紛争で命を落とした人々を悼み、2分間の黙とうがささげられ、エディンバラ、カーディフ、ベルファストでも追悼儀式が行われた。チャールズ国王が花輪を手向けるとスターマー首相らが続き、その後、およそ1万人の退役軍人が行進した。その中心には、終結から80年となる第2次世界大戦を戦った20人の元軍人の姿があった。
カブトムシの愛称で親しまれたドイツの大手自動車メーカー、フォルクスワーゲンのビートル。その最も古いと思われる1937年製造の自動車が今、再びドイツの公道を走っている。修理に8年を要し、最高時速は100キロだが、80キロを超えるとガタガタ揺れてしまうという。
中国の珍しい映像を紹介。山の北側の斜面は松や杉の常緑樹で緑色。一方南側の斜面に植えられているのはハグマノキでこちらは紅葉して真っ赤。コントラストが美しい景色が広がっている。
東南アジアのタイでGDPの2割を占めるとも言われる観光業。その回復の遅れが申告。タイ政府は今年、タイを訪れる外国人旅行者数について、従来の予測よりも100万人少ない3350万人に下方修正。コロナ禍前には4000万人だった。回復が遅れている要因としてあげられているのが、SNSでで治安悪化のイメージが拡散したこと。今年、タイ国境のミャンマーの犯罪拠点で、外国人が特殊詐欺に加担させられていた事件が明らかになり、またカンボジアとの国境で武力衝突が起きたことも治安悪化のイメージに繋がっていると指摘されている。さらに先月、タイ国民から敬愛されてきたシリキット王太后が亡くなり、国内に自粛ムードが広がっていることも背景にあると考えられている。年末にかけてタイ各地では多くのイベントが開かれるが、今年は花火を控えたり、音楽を落ち着いた雰囲気に変更したりするなど、演出の見直しや規模の縮小の動きが出ている。
イギリスの労働党政権は去年、財政再建に向け過去最大規模となる約8兆円の増税に踏み切った。しかし今月26日に発表される予算案でも、再び大幅な増税が盛り込まれる見通しで、物議を醸している。今回の予算案は医療や国防費などの歳出を増やすとしているが、世界経済の不透明感から生産性の見通しが下方修正されれば、財政赤字が広がって、200億~300億ポンド(約4兆~6兆円)が不足するとみられている。不足分をどう埋めるのか、先週リーブス財務相は公表前の予算案について、異例の会見を開いた。必要な支出を確保するため増税を示唆したとされている。「所得税などの増税をしない」とした党の公約を守るかという質問に対しても、リーブス財務相は明言を避け、イギリスメディアは厳しい決定への地ならしだと報じている。去年行った増税が労働党政権の支持率低下に繋がっていることから、予算案の内容によっては今後の政権運営への影響は避けられないとみられている。
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今、中国各地で日本人歌手のライブが毎週のように開催され、大人気となっている。その背景にあるとされているのが「情緒消費」と呼ばれる中国の現象。中国で景気が減速し消費者の節約志向が高まる中でも、新たな消費のトレンドとして注目されている。今月1日に北京で開かれた浜崎あゆみさんのコンサート。中国各地から約1万2000人が来場した。中国文化観光省のホームページによると、先月に北京・上海・広東省の3大都市圏で行われた日本のアーティストが出演したとみられる公演は約60件。去年の同じ時期の約1.5倍に増えている。その背景にあるのが情緒消費。実用性やコストパフォーマンスよりも、感情的なニーズを満たすため音楽やグッズ・ゲームなどを、自分の満足や癒やしにお金を使うという消費のトレンド。中国の消費トレンドに詳しい専門家は、「自己顕示欲的な消費スタイルから、より自己満足的な消費スタイルになってきている」と話す。ある男性が買ったチケットは5万5000円相当の席だった。中国の情緒消費の市場規模は、去年40兆円を超え、今後5年間で90兆円に達するという試算もある。情緒消費の市場拡大が見込まれる中、日本のコンテンツ産業にとっては大きなビジネスチャンスだと指摘する。日本関連の公演が増えている要因について森永さんの分析を見ていくと、「中国はゲームやキャラクターなど自国のコンテンツの魅力が上がっていることに自信を持って、世界発信を強化している。それに伴って中国国内における海外文化の規制緩和も進めていて、当局の許可が下りやすくなっているのではないか」などと指摘している。
