- 出演者
- 辻浩平 藤重博貴 酒井美帆
オープニング映像が流れ、出演者が挨拶した。
「“核実験指示”広がる波紋」などのラインナップを伝えた。
アメリカのトランプ大統領が日本時間のきのう、中国の習近平国家主席との首脳会談を前にSNSへの投稿で「核兵器実験を開始するよう戦争省に指示した」と発言し波紋が広がっている。習主席との会談後、大統領専用機の機内で記者団に対し「ほかの国は実験している」などとコメントしたが、実験の具体的な内容は言及していない。トランプ大統領の発言についてアメリカ戦略軍のコレル副司令官は「核爆発実験を意味しているとは限らない」などと述べ、運搬システムの試験を指している可能性もあるという考えを示唆。トランプ大統領は核兵器を巡るロシアと中国との協議にも意欲を示した。中国外務省の郭嘉昆報道官は「世界の戦略的な均衡と安定を守ることを望む」などと述べた。ロシア大統領府のペスコフ報道官は、アメリカが核実験の再開に踏み切ればロシアも核実験を行う可能性を示唆。去年ノーベル平和賞を受賞した日本被団協の田中聰司代表理事は核兵器廃絶を訴える公演のためアメリカを訪れていたが「絶句だ」などとコメント。
トランプ大統領が指示した核兵器実験のポイントは、核爆発を伴うかどうか。国連などによると世界ではこれまで2,000回以上の核爆発を伴う実験が行われた。最も多いのがアメリカで1,000回以上、次にロシアがソビエト時代に715回。ほとんどが1990年代までの実験で、アメリカでは1992年を最後に一時停止。アメリカ科学者連盟の核情報プロジェクトを統括するハンス・クリステンセンは「核軍縮の潮流を終わらせようとするものだ」などとコメント。辻浩平は「真意がよくわからない」などとコメント。トランプ大統領が言及しているとみられるのは、ロシアが今月に行った、原子力を動力源とする新型ミサイルの実験。
視聴者の声を募集。
30日にかけてロシア軍によるミサイル50発以上を使った大規模な攻撃があった。ウクライナ南部のザポリージャで2人が死亡したほか、首都キーウをはじめとする各地のエネルギー施設に被害が出た。ウクライナの電力会社によると30日午前、全土が一時停電。ゼレンスキー大統領は30日、SNSへの投稿の中で大規模な攻撃があったと明らかにした。
イギリスのメディアによると、米ロ首脳会談中止前にロシア外務省がアメリカ側に文書を送り、その中にはウクライナに対して領土の譲歩を求めるなど従来の強硬な要求が盛り込まれていた。アメリカのルビオ国務長官とロシアのラブロフ外相が電話会談を行った後、ルビオ長官はロシア側が交渉に応じる姿勢を全く示していないとトランプ大統領に報告し、首脳会談の中止が決まった。
21の国と地域が参加するAPECの首脳会議が、きょうから2日間の日程で韓国南東部の慶州で始まった。自由貿易の拡大を掲げるAPECが首脳会議で共同声明をまとめることができるのかが焦点。高市総理大臣や中国の習近平国家主席などが出席したが、保護主義的な政策を進めるアメリカのトランプ大統領は欠席。会議の冒頭、韓国の李在明大統領は各国に協力と連帯を呼びかけた。中国国営の新華社通信によると習主席は、WTOを中核とする多国間貿易体制の権威と有効性を高めると述べ、トランプ政権による関税措置を念頭に自由貿易体制の維持を訴えた。世界経済の減速が懸念される中、首脳たちが貿易や投資面の協力促進について意見を交わす。きのう開かれたAPEC閣僚会議では参加する国や地域の意見の隔たりにより閉幕までに共同声明が採択されなかった。
女性の政治家をめぐる議題を取り上げた。ジェンダー平等の先進国であるアイスランドのリポートについて視聴者の声を紹介。日本でも初の女性の総理大臣が誕生したが、アイスランドは世界経済フォーラムによる男女間の平等に関する調査で16年連続1位、日本は118位。ジェンダーギャップ指数を決める要素の一つが女性の政治家。高市政権の女性閣僚は2人だけ。女性政治家は様々な面でハンデを負っているという研究結果がある。その一つが、女性政治家の方が政治と関係ない部分に厳しい目が注がれてしまうこと。今年ケンブリッジ大学の学術誌に掲載された、デンマーク地方選挙の候補者を対象にした調査結果を紹介。体や性に関する望ましくない侮辱的な発言をされたと答えた男性候補者は6%、女性候補者は23%。声が高すぎる、おしゃべりすぎると言われたと答えた男性候補者は9%、女性候補者は18%。
政治報道におけるジェンダーの偏見の象徴とされたのが、2008年のアメリカ大統領選挙の予備選挙での報道。オバマにリードされ苦しい立場にあったヒラリー・クリントン候補が、有権者との集会で温かい言葉をかけられて声を詰まらせ涙ぐんだ。「この国が後戻りするのを見たくない」などと発言。強い女性として弱さを見せなかったクリントンが人間味を見せたと全米のメディアが大きく取り上げた。この発言の直後に行われたニューハンプシャー州の予備選挙でクリントンは逆転勝利。主要メディアのニュース番組報道37件を検証した結果、21件はクリントンの様子を「戦略的だ」と分析していた。論文は、女性政治家が直面する何をやっても批判される問題が見て取れると指摘。男性候補者は35%、女性候補者は62%が外見を報道しすぎだったと、2年前にピューリサーチセンターが発表。ほか、女性候補者の方が男性候補者より、国の課題解決能力や主要な政策の立場を報じなさすぎる結果だった。性別を理由に無意識に偏った見方をしてしまうことはアンコンシャスバイアスと呼ばれる。
香港の観光名所に日本の人気アニメキャラクターが出現。他にもアジアを中心に大注目されているラブブなど4体が、ビクトリア湾をプールに見立てて浮かんだ。大きなものは高さが20mほどあり、ふくらませるのに23時間もかかる。一昨年の夏には暑さで巨大なアヒルがしぼんでしまったため、今の時期が選ばれた。この後、巨大キャラクターたちによる水上パレードが行われ、盛り上がる。
イギリスで最大級の動物園にもハロウィーン。カボチャや花が飾られた。ライオンは特別なにおいがつけられたカボチャに大はしゃぎ。
アメリカのボストンにあるケネディ元大統領ゆかりの図書館が歴代大統領のペットたちに焦点を当てている。展示は来年4月まで。ジョージ・ワシントン大統領には馬と猟犬がいた。ツグミにアライグマにヘビ、芝生を牧場に変えた大統領もいる。館長は「ペットたちの目を通して国の歴史を見る機会」などとコメント。フランクリン・ルーズベルト大統領の犬はラジオにも出演。ケネディ大統領の娘であるキャロラインとポニーも注目。ペットは国民にも影響を与え、クリントン家のソックスやオバマ家のボーに似た猫や犬を引き取る人が増えた。
米中首脳会談の焦点ともなったレアアースはEVの生産などに欠かせず、中国が圧倒的なシェアを誇り、鉱物からレアアースを取り出す精製では9割を占めている。その中国に採掘したレアアースの多くを輸出しているのが、世界3位の産出国とされるミャンマーで、中国系の企業が関与しているとみられる採掘が活発化している。しかし、内戦下の混乱の中許可なく違法に行われたり環境対策がとられなかったりするものもあると専門家などからの指摘が相次いでいる。そして採掘地域の下流にある隣国タイの河川ではミャンマーでの採掘が原因とみられる水質汚染が深刻化し市民生活に影響を及ぼしている。タイ北部チェンライ県にあるミャンマーとの国境の町タトン。地域を流れるコック川は漁業や農業が盛んなこの町の住民にとって欠かせない存在。住民たちが異変に気付いたのは今年の初めころだった。通常は、乾期で川の水が透明になるはずだが、茶色く濁ったままだった。地元の漁師は今年3月、漁で川に入ったあと肌に異常が出た。地元当局が3月以降川の水質検査を行ったところ複数の地点で基準値を超えるヒ素や鉛などの有害物質が検出された。多いところでは基準の5倍近くに達した。
タイの川に一体、何が起きたのか。汚染の原因として疑いの目が向けられたのは隣国ミャンマーだ。今年5月、現地の人権団体は衛星画像の分析などから国境から北に25km程のミャンマー、シャン州にあるコック川沿いでレアアースの採掘が行われていることを確認したと公表した。レアアースは、採掘時に大量の薬品や水を使用する。その過程で出たヒ素などの有害物質が適切に処理されずに川に流れ込んだと指摘した。さらに、団体は中国系企業と地域を支配する少数民族の武装勢力が協力して採掘を行っているとみている。採掘に関わっていると指摘された武装勢力は取材に応じませんだったがタイ政府もミャンマー側の鉱山開発で水質が汚染された可能性が高いという見方を示している。影響は、川の水を使う農業にも及んでいる。こちらのオクラ農家では数か月前から生育不良の収穫物が多くなった。出荷量は落ち込み月の収入は以前の3分の2程に。日本にも輸出されていたが品質が落ちたことから今は、輸出が止まり地元への出荷にとどまっている。妻の両親を養っているためこれ以上生活が厳しくならないことを願うばかりだと話している。
水質汚染の問題はタイ、ラオス、ミャンマーなどを流れるメコン川でも起きている。3か国が、メコン川で接する場所となっている。そしてこちらタイ側のメコン川では鉱山開発によるものとみられる影響が広がっている。タイ当局が水質検査を行ったところコック川より数値は低いもののメコン川の複数箇所でも基準を超えるヒ素などが検出。専門家やNGOはメコン川につながるミャンマー側の川沿いの複数箇所で無秩序なレアアースの採掘が行われていると指摘している。因果関係は不明だが、流域の主要産業となっている漁業ではこれまでに見られなかった異変が起きている。川からとれた、なまずの体にこぶができたものが相次いで見つかり住民の間では不安が広がっている。汚染状況や原因を調査する専門家は対策がとられなければメコン川流域全体で重度の健康被害が起きるおそれがあると警鐘を鳴らしている。
バンコクから中継。アジア総局の青山悟さんに話を聞く。タイ政府の対応は?対策をとるのが極めて厳しい、難しい状況。水質汚染の原因がミャンマー側の鉱山開発の可能性が高いとみている。副首相をミャンマーに派遣して共同で対策に取り組むことで合意している。ミャンマーでは実権をにぎる軍と民主派勢力、少数民族の武装勢力により戦闘が続いている。採掘現場の多くは武装勢力が掌握している。レアアースが資金源になっているといわれている。環境対策より開発が優先されている。中国系の企業が関係しているとみられ責任の所在が曖昧になり問題が複雑化している。国際社会ができることは?レアアースを含むミャンマー産の取引停止を呼びかけているがその多くを中国が囲い込んでいる状況なので手段は限られている。独立系シンクタンクの調査によると、中国へのレアアースの輸出額は2021年のクーデター後の4年間で5倍以上。レアアースの獲得競争が激しくなるなか、中国に対抗したい欧米、日本としては環境基準に沿った採掘、精製技術を確立することで透明性の高いレアアースの流通を増やすことができるか、これが鍵になりそうなどと話した。
COP30が来月10日からブラジルで開幕。数多くの氷河が存在するアルゼンチンとチリにまたがるパタゴニア地方。ペリト・モレノ氷河が有名。地球温暖化の影響で多くの氷河が縮小するなかこの氷河は地形的な特徴などから長年その形を維持していて安定した氷河と呼ばれてきた。観光客にも人気、地元経済を支える需要な観光資源になっている。ところが、ペリト・モレノ氷河に異変。衛星画像によると、先端部分が徐々に後退、18年と比較すると面積で約2キロ平方キロメートル、東ドーム40個分以上と推定されている。近年では冬でも氷河が崩れるなど崩落の頻度が増している。遊覧船は氷により船が出せなくなる。運航休止を余儀なくされる。遊覧船運航会社のビクトリア・フェロさんはいずれ消滅してしまうのではないかと述べる。
北海道大学低温研究所・箕輪助教はペリト・モレノ氷河を研究。氷河が溶けるメカニズムを解明とするなかで注目しているのがここ数年急激に高くなった気温。特に2019年以降、気温が高い状態が続いた。箕輪助教は気温偏差でプラス1℃くらい顕著に暖かい年が続いた。極端な温暖化が原因と考えていると述べる。この研究を海面上昇により深刻な影響を抱える南極の氷の変動の解明にもつなげようとしている。国立公園の技術スタッフがほぼ毎週ドローンを使って氷河の先端部分を撮影。箕輪さんは画像を分析、容積を計算。これによって将来、南極の氷の変動を分析する研究に応用できるのではないかと期待している。視聴者からは、もはや手遅れではないか。長期的スパンで取り組んでいきたいなどのコメントが寄せられた。
高市総理大臣は訪問先の韓国で中国の習近平国家主席と初めてとなる日中首脳会談を行った。習主席は約2分間の発言の中で、戦略的互恵関係という言葉を2度使い「高市総理大臣とともに日中関係の安定化を図っていきたい」という中国側の考えを伝えた。高市総理大臣は「戦略的互恵関係の包括的な推進と建設的かつ安定的な関係の構築という日中関係の大きな方向性を確認したい」と述べた。また双方の意思疎通が重要だという認識で一致jした。
