2025年10月31日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2025 ニューヨーク市長選に映るトランプ大統領の影

出演者
辻浩平 藤重博貴 酒井美帆 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像が流れ、キャスターらが挨拶。

ニュースラインナップ

米中首脳会談、レアアースなど協議などのニュースラインナップを伝えた。

(ニュース)
注目の米中首脳会談

トランプ大統領と習近平国家主席の米中首脳会談が行われた。1回目は2017年4月、トランプ大統領が習主席を別荘に招待。11月にはトランプ氏が中国を初訪問、北京で3回目の会談を行う。前回は2019年6月の大阪。G20大阪サミットにあわせて行われた。トランプ大統領2期目で初の首脳会談となる。マリーンワンでトランプ氏が到着。その15分後には習主席を乗せた飛行機が到着。会議に先立ち、トランプ氏はすでに多くの点で合意しているしこの場でさらに合意するだろう。習主席は2大経済大国が摩擦を抱えているのは正常なことだ。きょうの会談を通じ両国関係は堅固な基盤を築くべきだと述べた。アメリカ側からはルビオ国務長官、ベッセント財務長官、ラトニック商務長官、中国側は王毅外相、何立峰副首相、王文濤商務相らが同席。会談後、トランプ氏が習主席に耳打ちする様子も。米中会談を最後にアジア歴訪の日程を終え、トランプ氏は帰国の途につく。

米中首脳会談 合意内容は

米中首脳会談のポイントは、レアアース、半導体、フェンタニル、農産物の4つ。中国はレアアース関連の輸出規制を強化すると発表していた。トランプ氏はこれに対抗し中国からの輸入品に100%の追加関税を課す考えを示していた。今回の会談後、中国商務省は合意内容としてレアアース関連の輸出規制強化を1年間停止すると発表。トランプ氏も1年ごとに交渉することで合意、中国とは今後毎年交渉すると述べている。半導体について、アメリカ政府は先端半導体などの輸出規制の対象を拡大。中国側は実施を1年間停止することで合意したとしている。フェンタニルなどの薬物流入をめぐる措置について、トランプ氏は中国からの輸入品に20%の追加関税を課していたが10%に引き下げると明らかにした。アメリカ産の大豆などについて、トランプ氏は中国がただちにアメリカ産の大豆など大量の農産物を購入するとしている。

米中首脳会談 “貿易摩擦の回避” 焦点

韓国・慶州から注目。米中首脳会談の注目ポイントについて。アメリカが何を差し出したか。中国の求めに満額回答で応じたという印象を受けた。会談後、合意内容の詳細を発表をいち早く発表したのは中国側だったことも満足度の高さを示している。アメリカが譲歩する見返りに得たのはレアアースの輸出規制の強化を停止すること。それだけレアアースはアメリカ経済にとって重要な意味を持つことのあらわれと分析。中国側は?中国がどこまで強気の姿勢で臨むのか。レアアースの交渉カードがいかに強力かがクローズアップされた。レアアースの輸出規制の延期という形で歩み寄る形となった。問題を先送りにしたにすぎない。先端半導体の輸出規制の停止も手にした。今後は?アメリカは中国に依存しない形でレアアースのサプライチェーンの強化を急ぐ方針。関税措置で中国だけがレアアースという武器を持っていた。中国が存在感を見せつけた形。中国側は、アメリカに対抗して国際秩序と自由貿易体制を守ると主張している。新興国を中心に受け入れられていて中国は手応えを感じているはず。明日からAPECにの首脳会議が始まる。習主席は会議に出席する。中国としては一連の会議で存在感を示すとともに参加国との関係を深めたいと考えている。中国の対アメリカ戦略は今後も着々と進みそうなどと話した。

辻’s Angle
米中 半導体の覇権争いは

半導体大手のエヌビディアが開発した「H20」と呼ばれる半導体はAIの重要な半導体。中国向けに開発されたもの。トランプ政権はこのH20の中国への輸出を規制。7月には一転して輸出再開を認める。元NSCのデイビッド・ファイス氏はより高度なH20を含むさまざまな半導体を輸出すべきという主張がある。中国をアメリカの技術に依存させ続け、ファーウェイのような競争力のある中国製AI技術の独自開発を制限できると考えるからだと述べる。半導体を輸出することでアメリカ製に依存させ中国の独自開発を抑え込むことができるという考え方。輸出すれば中国のAI開発を加速させてしまうという考え方の2つがある。輸出を厳しく制限すべきだというのがファイス氏の主張。ファイス氏は中国に重要な技術を供給しないことは非常に重要で彼らの開発を遅らせることができる。中国への技術の輸出を制限することは国家安全保障にとって良いことと述べる。トランプ政権はH20含む一部の半導体の輸出を認める。先端半導体については輸出を規制している。さらに9月には輸出規制の対象を拡大させると発表し中国の反発を招いた。きょうの会談でこの輸出規制の対象拡大を1年間停止することで合意。アメリカが中国に譲歩した形。

(ニュース)
韓国の原子力潜水艦建造を認める

李大統領がきのうのトランプ大統領との会談で原子力潜水艦の保有に向けた協力を求めたことについて、トランプ大統領は原子力潜水艦を建造することを認める考えを示した。トランプ大統領は自身のSNSとにわれわれの軍事同盟はかつてなく強固。彼らに原子力潜水艦の建造の承認を与えたと投稿。さらに韓国は原子力潜水艦を古きよきアメリカのフィラデルフィアの造船所で建造することになる。大きな復活をとげるだろう、こうご期待と投稿。韓国の連合ニュースは北の脅威に対応するため早いうちに原子力潜水艦を実戦配備する必要性を感じたためと分析。

米FRB 2会合連続で利下げ

FRBは金融政策を決める会合を開き、政策金利0.25%の引き下げを決定。2会合連続となる利下げを決定。FRBのパウエル議長は会合後の会見で、メンバーの間で雇用とインフレのリスクをめぐり意見が分かれていると明らかにした。12月の会合で政策金利をさらに引き下げることは初めから分かっている結論ではないと述べる。政府機関の一部閉鎖による統計の発表延期について、霧の中で運転していたらスピードを落とす。より慎重になったほうが理にかなう可能性もあると述べた。次回12月の会合でさらなる利下げに踏み切るか注目される。

WOW!The World
ベトナム ガソリンで走るオートバイ禁止へ

ベトナムの道路を埋め尽くすオートバイの風景が、変わるかもしれない。ハノイ中心部では来年7月からガソリンで走るオートバイの乗り入れが禁止される。しかし買い替えには費用がかかり充電スタンドも少なく、政府や企業は購入補助金やバッテリー交換ステーションの設置を計画している。クリーンな未来への道は加速しつつある。

「ロト」初の抽選会から70年

ドイツでは、ハンブルクで宝くじ「ロト」の初めての抽選会が行われてから70年。最初に取り出されたボールに書かれていた数字は「13」だった。その後抽選会はドイツ各地で行われ、10年後にはテレビでも生中継されるようになった。70年間で5600人の億万長者が誕生したという。

ハロウィーンに「マムビー」出現

もうすぐハロウィーン。今年もコネチカット州の母親たちが、ママのゾンビ「マムビー」に変身し踊る。目的は乳がん研究のための寄付金集め。総勢50人ほどのマムビーたちが10年あまり続けている活動は地元の恒例行事に成長し、これまでに1億円以上を集めたという。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
ニューヨーク市長選に異変

来月4日に行われるニューヨークの市長選挙。事実上、民主党と共和党、無所属の3人の争いだが、今回は異例とも言えるほどに注目度が高まっている。民主党のマムダニ氏は“社会主義”を掲げ、南アジア系でウガンダ出身のイスラム教徒。民主党の候補者を決める予備選挙を、大番狂わせで制した。半年前までほぼ無名だったマムダニ氏の選挙キャンペーンを、取材班はこの夏から追いかけてきた。この日マムダニ氏は緊急の記者会見を開催し、「ニューヨーク市の交通インフラへの連邦資金を凍結する」と発表したトランプ大統領との対決姿勢を打ち出した。トランプ大統領は「マムダニ氏が市長になれば、政府の資金を打ち切る」などと警戒感をあらわにしている。マムダニ氏を支援するのは、民主党左派の有力者であるオカシオコルテス議員下院議員。左派の重鎮・サンダース上院議員も応援に駆けつけた。「民主社会主義者」を自認するマムダニ氏が訴えているのは、誰もが手の届く生活。家賃の値上げは凍結し、最低賃金を2倍近くに引き上げるなどとして、物価高に苦しむ低所得層や若者などから強い支持を受けている。支持者のサマンサ・クロースさんは、俳優になる夢を叶えようと8年前にニューヨーク市内に移住した。その後テレビの仕事も入るようになったが、生活は楽ではないという。一方民主党の予備選でまさかの敗北を喫した前州知事のクオモ氏は本選挙に無所属で立候補し、コロナ禍でニューヨーク州知事としてトランプ大統領と向き合ってきた経験をアピールしている。しかしクオモ氏の支持率は伸び悩み、事前の世論調査ではマムダニ氏に10~20ポイント程度の差を付けられている。クオモ氏を支持する弁護士のマリネロさんは「すべてを無料にできるはずがない」と、マムダニ氏が空手形を切り続けているように見えるという。またマムダニ氏が市長になれば、トランプ氏の干渉を招きかねないと考えている。

アメリカ・ニューヨークから中継でリポート。家賃値上げの凍結やバス運賃の無償化などを主張するマムダニ氏は「企業や富裕層への課税で賄う」としているが、懐疑的な声は少なくない。家賃の値上げができなくなれば不動産投資の減少につながり、最低賃金を大幅に引き上げれば雇用が減少するのではないかなどの指摘がある。これに対しマムダニ氏の支持者たちは「やってみなければわからない」と口をそろえていて、変化を求めていることが伝わってくる。共和党にとっては、マムダニ氏の登場はむしろ好都合だという見方もある。マムダニ氏こそが民主党の代表格だと位置づけて、「ニューヨークのように他人が汗水垂らして稼いだ金をばら撒くような国になっていいのか」と問いかける戦略をとれるから。一方の民主党にとっては、政策が大きく左に振れれば中道寄りの層や無党派層を遠ざけるという懸念が根強く、選挙戦を通じて党内が割れているのが現状。

(ニュース)
3つの宗教“壁”を乗り越えて

世界各地で分断が広がる中、ドイツでは宗教の壁を超えて互いを理解しようとする取り組みが始まっている。今月7日、ベルリン市内にあるユダヤ教の礼拝所「シナゴーグ」に、ユダヤ教の指導者とキリスト教、イスラム教の指導者が並んでいた。ガザ地区での衝突から2年となったこの日、それぞれの宗教の信者も参加し平和を祈った。この礼拝を呼びかけたのは、宗教指導者や学者などが立ち上げたプロジェクト「House of One ~3つの宗教 1つの家~」。プロジェクトではその拠点となる合同礼拝所の建設を計画している。3つの宗教の礼拝所が中央のホールでつながり、人々が行き来することができる。第2次世界対戦中にナチスによって600万人のユダヤ人が虐殺されたホロコーストの歴史を持つドイツでは、戦後はその教訓から難民や移民を寛容に受け入れてきた。しかし近年は宗教やルーツを背景にしたトラブルや事件が相次ぎ、社会の分断が加速している。プロジェクトでは寛容さや共生の考えが失われつつある今だからこそ、互いを理解できる安全な場所が必要だと考えている。若者たちによる草の根の活動も始まっている。イスラム教徒のキュブラさんは、プロジェクトの一環として始まったポッドキャストの配信で同世代のキリスト教徒とユダヤ教徒の女性と、身の回りの話題について率直に語り合っている。宗教やルーツを越えて、互いを理解しようと始まった模索。キュブラさんは草の根の対話を少しずつでも広げていきたいと考えている。

酒井美帆は「信仰の違いだけではなく、世界には国籍、人種、文化、価値観など様々な違いがある。分断が広がっているニュースも多く簡単に解消できることではないが、意見の違いがあっても対話を諦めない大切さをキュブラさんたちが体現していた」などと語った。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
“両国は重要な隣国” 関係強化へ

高市首相は、6時すぎからイ・ジェミョン大統領との会談に臨んだ。高市首相は、会談後記者団に対し、「20分の会談の予定が45分となり、いろいろな話をした」とコメントした。

沖縄県企業が水浄化装置を寄贈

沖縄県うるま市の企業が自社で開発した雨水や海水などを清潔な水にかえる装置をウクライナの医療施設に寄贈することが決まり、首都キーウで29日、両国の企業や政府関係者などが出席して記念の式典が開かれた。この装置は、停電中でも発電機や蓄電池で稼働でき、これまでに能登半島地震などの被災地にも寄贈されたという。式典では実演も行われ、開発した企業の担当者が濁った水を処理しその場でコップについで飲むなどしていた。式典に参加したウクライナのビトレンコ副教育科学相は謝意を示した。

“かつてないレベルの壊滅的被害”

ハリケーン「メリッサ」はカリブ海を北上しながら29日までに一時5段階のうち最も勢力の強い「カテゴリー5」に発達し、ジャマイカやハイチ、キューバなどで被害をもたらした。ロイター通信によると、これまでにハイチでは23人、ジャマイカでは4人の死亡が確認され、多くの行方不明者が出ているという。国連は29日、緊急の報告を行い、かつてないレベルの壊滅的な被害が出ているとして、WFPが航空機や船舶で食料や衛生用品、発電機などを届ける準備を進めるほか、広い地域で停電が続く中、インフラの復旧などの支援を急ぐことにしている。

病院襲撃 460人以上殺害

アフリカのスーダンで続く軍と準軍事組織の衝突をめぐり、国連は今週、ダルフール地方の病院で460人以上が殺害されたとする報告があったと明らかにし、国際人道法違反にあたるとして非難した。

国連事務総長選挙への立候補表明

IAEA・グロッシ事務局長は、来年12月末に任期満了を迎える国連の事務総長の後任を決める事務総長選挙への立候補を表明した。

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