世界各地で分断が広がる中、ドイツでは宗教の壁を超えて互いを理解しようとする取り組みが始まっている。今月7日、ベルリン市内にあるユダヤ教の礼拝所「シナゴーグ」に、ユダヤ教の指導者とキリスト教、イスラム教の指導者が並んでいた。ガザ地区での衝突から2年となったこの日、それぞれの宗教の信者も参加し平和を祈った。この礼拝を呼びかけたのは、宗教指導者や学者などが立ち上げたプロジェクト「House of One ~3つの宗教 1つの家~」。プロジェクトではその拠点となる合同礼拝所の建設を計画している。3つの宗教の礼拝所が中央のホールでつながり、人々が行き来することができる。第2次世界対戦中にナチスによって600万人のユダヤ人が虐殺されたホロコーストの歴史を持つドイツでは、戦後はその教訓から難民や移民を寛容に受け入れてきた。しかし近年は宗教やルーツを背景にしたトラブルや事件が相次ぎ、社会の分断が加速している。プロジェクトでは寛容さや共生の考えが失われつつある今だからこそ、互いを理解できる安全な場所が必要だと考えている。若者たちによる草の根の活動も始まっている。イスラム教徒のキュブラさんは、プロジェクトの一環として始まったポッドキャストの配信で同世代のキリスト教徒とユダヤ教徒の女性と、身の回りの話題について率直に語り合っている。宗教やルーツを越えて、互いを理解しようと始まった模索。キュブラさんは草の根の対話を少しずつでも広げていきたいと考えている。
