2026年4月3日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2026 ブータンの妊婦支える日本の技術

出演者
山澤里奈 辻浩平 藤重博貴 新村直弘 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

オープニングトーク

イラン情勢について皆さんの声について紹介。ゲストはマーケット・リスク・アドバイザリー共同代表・新村直弘さん。皆さんの声募集中。

(ニュース)
“今後2~3週間 激しい攻撃”

アメリカ・トランプ大統領は演説で、まず軍事作戦の成果を強調し「今後2~3週間のうちに極めて激しい打撃を与える。彼らを本来あるべき場所“石器時代”へ戻すつもりだ」と述べ、イラン側と協議は継続していると認識を示した。「合意が成立しなければ発電所を1つ残らず同時に激しく攻撃する」「イラン始動部排除に加わらなかった多くの国を含む燃料を得られない国に提案だ。石油をアメリカから購入すること、ホルムズ海峡に行き、確保する」 と述べた。市場では戦闘の早期終結への期待感が後退した。1日原油WTI先物価格は演説開始前1バレル98ドル前後、その後110ドル台まで上昇した。きょうの東京株式市場では日経平均株価が1400円以上値下がりした。イラン中央司令部報道官は2日“この戦争はあなたたちの恒久的かつ決定的な屈辱と後悔、そして降伏に至るまで続く”“われわれのさらなる破壊的で広範囲な壊滅的な攻撃を覚悟せよ”と声明を出した。イランはトランプ大統領の演説の前後にも攻撃を続けていて、イスラエル軍によると2日朝にかけてイランから4回ミサイルが発射され迎撃にあたったという。イスラエル軍は2日、前日(1日)テヘランなどにある革命防衛隊の基地や弾道ミサイルの保管施設などに大規模な攻撃を行ったと発表。攻撃の応酬が続いている。NATO加盟国が対イラン作戦に協力しなかったことに不満を示していたトランプ大統領。英・テレグラフは単独インタビューで“トランプ大統領がNATOからの離脱を真剣に検討していると述べた”と伝えた。英・フィナンシャル・タイムズは“トランプ大統領が先月NATO加盟国がアメリカ製の兵器など購入しウクライナに供与する枠組みを通じた支援をやめると脅した”と報じている。米・ウォール・ストリート・ジャーナルは“NATO・ルッテ事務総長が来週訪米、トランプ大統領と会談予定”と伝えた。

113ドル台に

ニューヨーク原油市場は113ドル台になった。 演説前98ドル前後で推移していたのに、半日で15ドルほど急激に上昇した形で3週間ぶりの高値水準。

山澤’s Focus
“アメリカ国民へのメッセージ”

イラン・ペゼシュキアン大統領はアメリカ国民へメッセージを送った。4ページ渡る書簡でSNSで公開された。注目は3点。1点目はイランの人々はアメリカ、ヨーロッパ、もしくは隣国を含む他の国の人たちに対して敵意を抱いていません。2点目はアメリカへの不信感は長い歴史の中で築かれた。1953年石油資源の国有化に踏み切ったイラン政府をアメリカCIAなどがクーデターによって転覆。パーレビ国王の親米独裁体制を支援。長期にわたる経済制裁。去年6月と今年2月交渉のさなか攻撃。3点目は、イランが行ってきたこと、現在も行っていることは正当な自衛に基づく抑制された対応であって決して戦争や侵略の開始ではありません。コノ書簡が、革命防衛隊やモジタバ師と共有されたイランの総意としての発信か不明。外国国民への書簡はめずらしく公開は演説の6時間ほど前。アメリカ国民に理解を訴える狙いだろう。MAGA派に向けたものと見られる。書簡には「この戦争によってアメリカ国民のどの利益が守られているのか」「アメリカ・ファーストは本当にいまのアメリカ政府の優先事項なんでしょうか?」とある。今回のイラン攻撃について政府の対応を支持する39%、指示しない54.4%(RealClearPolitics 3月13~31日実施)。イランとしてはアメリカの世論に自国の政府の決定がまちがっていたと納得させ、間接的に停戦を促す狙いがあったのかもしれない。

イラン情勢による原油危機 専門家が分析

ゲストのマーケット・リスク・アドバイザリー共同代表・新村直弘さん。イラン情勢の危機は「戦後最大。オイルショックのときはお金を出せば買えた。備蓄を積んでいるので対応できるため大きな騒ぎになっていない」、トランプ大統領の演説についてNY市場WTI先物価格の価格は113ドル台「価格はもっと上がる。売っていた人が買い戻すファーストリアクション。株はトランプ大統領は終わりにする期待感で買いを入れていたが、これは売らないとダメだとなった。楽観シナリオを市場では期待していた」と説明した。軍事衝突の混乱を長期、短期的に見る。短期で見るとホルムズ海峡封鎖。日本に影響が直撃、戦闘停止し、ホルムズ海峡が開けば改善する。長期的には深刻、エネルギー関連施設が損傷している。原油、LNGが戦闘停止になっても以前ほど出てこない。サウジアラビア・ラスタヌラ精油所(世界最大規模)、カタール・ラスラファンLNG生産拠点(世界最大規模)、UAE・フジャイラ港など施設への損傷が私たちの原油の影響がある。新村さんは「破壊の状況は戦時中なので正確には明かさない。1年、2年かかる場合も」「停戦、終戦が成立しても原油価格は船がでてくるか、供給ができるかを考えると、戻りはゆっくり」「(停止している施設について)再開は修理しても何週間かかかる。油田が止まっている、生産を落とすと、ガス圧で出しているため安定しないと増産できないのでもとに戻すのに時間がかかる。3カ月とかかかるだろう」「影響は数年単位。8割がたで半年、年末」「(UAEフジャイラ港のアップの写真について)多分計算してやっている。イランは湾岸産油国とこれからも生活しないといけない。でも怒っていると示さないといけないから」と解説した。

原料の原料と呼ばれるナフサ、2024年度のナフサの調達先は中東(UAE・クウェート・カタール等)44.6%、国産39.4%、その他輸入16.0%。木原官房長官は3月31日「現時点では直ちに供給上の問題が生じるとの報告は受けていない」としている。新村直弘さんは、ナフサについて「原料と燃料は分けて考える。原料は代わりはない。100%元の状態にするのも難しい。7割が限界。樹脂、プラスチックパックに影響、半導体製造に使う化学製品もナフサから作られている。日本だけの影響とはならない」と述べた。中東依存の脆弱な日本について、知のリレー、4月1日出演の坂梨祥さんからの質問「(エネルギー面での)日本の中東依存度を引き下げる鍵とは」について新村直弘さんに尋ねる。新村直弘さんは「調達先を変える。手元にある、もしくは調達するのに問題ないエネルギーへのシフトを進める。省エネになる」「(多角化について)難しい。種類の違う原油を処理できる精油施設と、それをつかって化学製品をつくると、すべての産業が連携をして積極的に投資をして回収する努力をしないといけない」と解説した。来週月曜日のゲストは長澤仁志さん(日本船主協会会長)。長澤さんへの質問は「有事でも海上輸送を維持するために有効な対策は?」。

WOW!The World
美術館から巨匠の絵画 3点盗難

イタリアの美術館から巨匠の絵画3点(ルノワール、セザンヌ、マティス)が盗難。4人組の犯人による3分あまりの犯行だ。専門家はルーブル美術館での盗難事件に触発された手口と指摘している。専門家は「犯人たちは素早く行動し顔を隠して逃走。人混みに紛れ込めばいいと分かったのだ」という。防犯システムが稼働したためそれ以上の被害はないが16億円以上の被害だ。

サハラ砂漠で巨大な砂嵐

サハラ砂漠で巨大な砂嵐。アルジェリアの砂ぼこりの壁、モロッコでは空がオレンジ色だ。専門家は「特筆すべきはこの砂嵐の範囲が1600キロに及ぶこと」という。大西洋に向かってすすみ、カナリヤ諸島にも影響がある。10年に1度か2度の巨大な砂嵐、健康被害も懸念されている。

被災地で9年ぶり 野生のパンダ発見

四川・九寨溝で野生のパンダを発見した。専門家によると2歳から3歳。体重は50キロほどで健康な様子。2017年の地震以降この地域で野生のパンダが発見されたのは初めて。生態系が回復しているとみられている。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
ブータン 妊婦支える遠隔医療

医療体制が脆弱なブータン、年間約1万人の赤ちゃんが誕生する一方産婦人科医は国全体で15人ほど。医師と妊婦を繋ぐ体制づくりが喫緊の課題。注目はiCTG。日本の産婦人科で使われている検査機器で地域の診療所や自宅などどこへでも持ち運べるよう小型化したもの。使い方の紹介。胎児の心拍数、陣痛とも呼ばれる子宮の収縮度を同時にモニタリングし、自動でインターネット上に保存され、遠隔医療ができる。実際利用したブータン・ジェツン王妃は“国中に行き渡らせたい”として医師の切り札として期待が高まっている。

ブータンを取材する。産婦人科医は都市部に集中、地方からのアクセスが問題になっている。日本と比べ妊産婦の死亡率は約15倍、新生児8倍余り。妊産婦のケアに使われているのは、香川県の企業が開発した機器だ。5年前JICAなどの支援で本格導入、80台以上が使われている。この機器を使えば専門医が離れた場所から胎児の心拍数など確認、いち早く以上に気づき命を守る。ブータンの母子手帳でも機器の活用が推奨されている。ソナム医師は「(ブータンには)医師があまりいないので限られたリソースを多くの妊婦さんに使うためには間違いなく効果的」と話した。香川・高松市の香川大学発のベンチャー企業が開発。香川県は離島が多く、医療機関へのアクセスが難しいため妊婦・新生児が亡くなる割合が全国ワースト5位の時期もあった。香川大学名誉教授・徳田雅明さんはブータンで普及させ、“地元の人達の手で胎児と妊婦を守れるように”してきた。徳田さんは「サステナビリティの問題。フォローアップしていかないといけない」と話し、ブータン・ゲネカという村の診療所に向かった。看護助手ニム・デムさんの紹介。地方の診療所には医師がいないため看護助手などのスタッフが対応する。ニム・デムさんはデータを離れた場所にいる医師に送り、異常があれば処置をする必要もある。住民の健康診断や母子の見守り活動など重要な役割を担い休む暇もない。徳田さんは異変の見落とし、連絡の遅れを懸念している。現場の負担を増やすため測定したデータをAIで診断する仕組みの導入を検討。地元の大学、政府機関と連携して次世代の人材育成にも力を上げている。大学の看護学部では日本の遠隔医療を学ぶ授業が始まっている。日本の支援がなくても医療体制を維持できるようにすることが目標だ。先生は「学生たちにはiCTGを使える能力と自信を身に着け母親や胎児の命を救ってほしい」と話した。徳田さんは「顔と顔を突き合わせ、将来への見込みも含めて確認する作業がすごく大事だと思う」と話した。

ブータン医療現場を取材した山香道隆ニューデリー支局長とスタジオトークした。治療が難しい場合、ヘリで首都・ティンプーや隣国インドに輸送しないといけない。農村部では手当てが遅れ死産になることも多かった。体の異常に早く気づき、遠隔で適切なケアを受けられるようになったという声が聞かれた。また、地方や農村部の医師や看護師からは移動する時間が削減され、勤務医の負担軽減、子育て・介護中の医師の復職支援にもつながっているとの声も聞いた。医師不足のタイ、南アフリカ、ブラジルなど16か国で利用されている。人材不足の抜本的な対策として、ブータン政府は医師や看護師を要請するため様々な優遇策を設けている。医学部学生には奨学金の増額、看護学部を新たに卒業した人は、公務員の予備試験の免除。AI診断支援の導入。インドや日本で指導医を招聘している。日本はブータンにとって最大の支援国。医療分野でもさらに貢献できる余地がある。ブータン保健省高官は“日本はアジアの真の友人、信頼できるパートナーだ。交流をさらに深め国の発展に活かしていきたい”と話した。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
有人宇宙船 打ち上げ成功

日本時間午前7時半過ぎ、宇宙飛行士を乗せた宇宙船がケネディ宇宙センター(アメリカ・フロリダ州)から大型ロケットで打ち上げられた。宇宙船にはアメリカとカナダの宇宙飛行士4人が乗船し、予定された軌道でロケットから分離、打ち上げは成功した。宇宙船は10日間の日程で月を周回し、地球に戻る計画。5日後の7日に月に最も接近し月面の様子を撮影するほか、地球との通信環境や宇宙船の生命維持装置の作動状況の確認をする。人類が月に向かうのは、月面着陸した1972年のアポロ17号以来。NASAは2028年を目標に宇宙飛行士による月面着陸を目指すという。月探査「アルテミス計画」の宇宙船「オリオン」の飛行計画の紹介。中国も2030年には月に人を送り込むことを目指している。冷戦時代はアメリカとロシアが競っていた。今度は米中の宇宙開発競争だ。焦点となっているのは月面の資源開発。

最高裁 口頭弁論 傍聴

トランプ大統領がアメリカで生まれた子どもに自動的にアメリカ国籍を与える「出生地主義」を見直す大統領令に署名したことを巡り、憲法に違反するとして討えを起こされた裁判。アメリカメディアによると“現職の大統領が最高裁の口頭弁論を法廷で傍聴するのは初めて”。また複数の判事たちが“口頭弁論を通じて大統領令の合憲性に懐疑的な見方”を示したとしている。最高裁判所はことし6月の終わりまでに判断を示す予定。

上場を申請 過去最大規模か

イーロン・マスク氏が2002年設立したスペースXはロケットの打ち上げや衛星活用のインターネットサービス「スターリンク」を手掛けている。ブルームバーグによると、スペースXは“米証券取引委員会に株式の新規上場申請する書類を非公開で提出”したとしていて“上場で調達の資金は最大約11兆9000億円で過去最大規模の上場となる見通し”。米メディアは株式上場は早ければ6月頃になる見込みと伝えている。

(エンディング)
皆さんの声 募集中

皆さんの声の紹介。イスラエル、反ユダヤ、戦争、戦闘、ウクライナ、ロシアについてスタジオトークした。

次回予告

4月3日出演は牧野知弘さん(不動産事業プロデューサー)。

エンディング

エンディングトークをした。

(番組宣伝)
NHK日曜美術館50年展

番組宣伝。NHK日曜美術館50年展は東京藝術大学大学美術館で6月21日まで開催。

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