来月4日に行われるニューヨークの市長選挙。事実上、民主党と共和党、無所属の3人の争いだが、今回は異例とも言えるほどに注目度が高まっている。民主党のマムダニ氏は“社会主義”を掲げ、南アジア系でウガンダ出身のイスラム教徒。民主党の候補者を決める予備選挙を、大番狂わせで制した。半年前までほぼ無名だったマムダニ氏の選挙キャンペーンを、取材班はこの夏から追いかけてきた。この日マムダニ氏は緊急の記者会見を開催し、「ニューヨーク市の交通インフラへの連邦資金を凍結する」と発表したトランプ大統領との対決姿勢を打ち出した。トランプ大統領は「マムダニ氏が市長になれば、政府の資金を打ち切る」などと警戒感をあらわにしている。マムダニ氏を支援するのは、民主党左派の有力者であるオカシオコルテス議員下院議員。左派の重鎮・サンダース上院議員も応援に駆けつけた。「民主社会主義者」を自認するマムダニ氏が訴えているのは、誰もが手の届く生活。家賃の値上げは凍結し、最低賃金を2倍近くに引き上げるなどとして、物価高に苦しむ低所得層や若者などから強い支持を受けている。支持者のサマンサ・クロースさんは、俳優になる夢を叶えようと8年前にニューヨーク市内に移住した。その後テレビの仕事も入るようになったが、生活は楽ではないという。一方民主党の予備選でまさかの敗北を喫した前州知事のクオモ氏は本選挙に無所属で立候補し、コロナ禍でニューヨーク州知事としてトランプ大統領と向き合ってきた経験をアピールしている。しかしクオモ氏の支持率は伸び悩み、事前の世論調査ではマムダニ氏に10~20ポイント程度の差を付けられている。クオモ氏を支持する弁護士のマリネロさんは「すべてを無料にできるはずがない」と、マムダニ氏が空手形を切り続けているように見えるという。またマムダニ氏が市長になれば、トランプ氏の干渉を招きかねないと考えている。
