2025年11月6日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2025 米大統領選挙から1年〜トランプ政権を検証

出演者
辻浩平 藤重博貴 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。オープニング挨拶。

ニュースラインナップ

「アメリカ民主党マムダニ市長へ」などのラインナップを伝えた。

(ニュース)
NY市長選 民主党マムダニ氏が当確

アメリカ最大の都市ニューヨークで行われた市長選挙。当選確実になったのが民主党の新人で34歳のマムダニ氏。マムダニ氏はアフリカ・ウガンダ出身のインド系でイスラム教徒。対立陣営がイスラム教徒であることへの不安をあおる選挙キャンペーンを繰り広げた。マムダニ氏が選挙戦で掲げていたのが低所得層や若者の暮らしを支える政策。家賃の値上げ凍結や公共住宅の整備、バスや保育の無償化、最低賃金の2倍近い引き上げなどで、財源は企業や富裕層への増税で賄うとしている。こうした政策をかかげるマムダニ氏に対してトランプ大統領は“共産主義者だ”などと批判を繰り返していて、ニューヨークへの連邦資金の打ち切りなど厳しい対応をとると明言している。一方、マムダニ氏はニューヨークを富裕層を優遇せず労働者や移民を守る都市にするとしてトランプ大統領との対決姿勢を示した。

NY市長選 原動力は若者たち

当初、わずか1%の支持率から急速に支持を集めていったマムダニ氏。その原動力となったのは若者たち。若者を中心に10万人以上がボランティアとして登録し、マムダニ氏への投票を呼びかけた。友人2人とアパートを借り家賃を節約しているが物価高が生活を直撃している女性。家賃の値上げ凍結などに魅力を感じている。一方で、マムダニ氏の政策にはその実現性を疑問視する声もあがっている。理髪店を営むハビエル・ロドリゲスは政策に必要な財源が確保できるのか懸念を抱いている。

中間選挙に向けた課題は

来年1月にニューヨーク市長に就任するマムダニ氏。公約がどこまで実現できるのか手腕が問われることになる。マムダニ氏の当選が確実になったことについて慶應義塾大学の渡辺教授は「世界経済の中心地、そしてアメリカ資本主義の中心地であるニューヨークで社会主義色の強い候補が市長になったことは衝撃的だった」と話した。マムダニ氏が左派色の強い政策を打ち出していることを受け、“「民主党というのは社会主義の政党だ」というレッテルを貼りやすくなった”と述べ、“トランプ大統領が今後、中間選挙に向けて攻撃材料として利用していくのではないか”との見方を示した。一方、民主党側については「左派が強く出過ぎると中間選挙の本選では逆に中道派や無党派層の離反を招いてしまうリスクもある」と話した。

民主党候補者 当選確実に

アメリカ南部バージニア州と東部ニュージャージー州の知事選挙の投票が行われた。バージニア州では民主党のスパンバーガー氏が、ニュージャージー州では民主党のシェリル氏がそれぞれ共和党の候補者を退け当選を確実にしたとABCテレビは伝えている。いずれの選挙でも民主党の候補者らが10ポイント以上の差をつけて勝利した。共和党のトランプ政権に明確なNOが突きつけられたという意味でもある。

36日目 過去最長で影響広がる

政府機関の一部閉鎖は日本時間のきょう午後2時で36日目を迎え、過去最長となった。一時的に休職などとなる一時帰休の職員は60万人を超えると推計され影響のさらなる広がりが懸念される。議会上院で4日、14回目の予算案に関する採決が行われたが、手続き上、可決に必要な賛成数に届かず、閉鎖解除には至らなかった。この影響で低所得者向けの食料支援の給付金が減額されることになるなど国民生活に支障がで始めている。一方、トランプ政権は政府機関の一部閉鎖に合わせて職員の削減を進めていて、すでに4000人以上が対象に。首都ワシントンで週に1度開かれている元政府機関職員向けのイベント。政府機関の一部閉鎖の影響を受けている職員の参加が増えているという。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
日本の投資 地域経済に波及

ちょうど1年前の11月5日に行われたアメリカ大統領選挙。勝利したトランプ氏は演説で“アメリカは繁栄し黄金時代を迎える”と宣言した。黄金時代の柱の一つが関税措置をてこに外国から巨額の投資を呼び込んで製造業を復活させるというものだった。経済政策の企業はこの1年どう対応してきたのか。トランプ大統領の就任翌日、ソフトバンクグループの孫正義社長が発表したAI関連への巨額の投資。アメリカのオープンAIなどとともに「スターゲート」事業を立ち上げデータセンターの拠点を作るというもの。現場の一つのテキサス州を訪ねた。そこに広がるのは東京ドーム95個分に相当する土地。データセンターの建設が着々と進められていた。巨額の投資は地域経済にも波及効果をもたらしている。長年、不動産業に携わるケン・ホーガン。仕事が作り出されることで“住宅需要はかつてなく伸びている”という。市の観光局ではデータセンターがもたらした今年の経済効果を10億ドル(約1500億円)に上ると試算している。

米に新たに生産拠点 メリットは

巨額の投資にわくアメリカ国内。日本企業の中にはアメリカに新たな生産拠点を設ける企業も出ている。大手トラックメーカー「いすゞ自動車」は今年2月、南部サウスカロライナ州でアメリカ初となる自社工場の立ち上げを決定した。約400億円を投じ、75万平方メートルの敷地に年間5万代のトラックを生産できる工場を整備する。生産するのは日本でも主力の小回りがきくトラック。ネット通販の拡大でニューヨークなど都市部での需要の増加を見込んでいる。工場の稼働により最大700人を超える新たな雇用が生まれるという。アメリカでの工場建設はトランプ政権発足前からの計画だが、関税の影響を受けなくなることは大きなメリットになると考えている。

メキシコに拠点置く企業 選択は

拠点を移すことには慎重な企業も。メキシコに拠点をおく日本の機械部品メーカー「ミスミ」。顧客に製造工程を自動化するシステムを提案。顧客の多くはアメリカに製品を輸出する製造業。加藤陽武社長は頻繁にかわるトランプ政権の関税政策の影響で先行きの見通しが立たず、取引先の一部から受注が減少しているという。加藤社長は取引先をまわり、情報収集を続けている。アメリカの関税政策の影響を受ける可能性があるメキシコでの生産。しかし、アメリカ国内の約4分の1だという人件費は企業にとっては魅力。訓練された優秀な人材を確保しやすいのも利点だという。メキシコ側も企業を引き留めようとしている。加藤社長が面会したのは中部ケレタロ州の経済長官。メキシコとして支援を継続すると強調した。

“トランプ経済政策” この1年 LIVE ワシントン

この1年、日本企業はトランプ大統領の経済政策に様々な対応を迫られてきた。アメリカへの投資、進出のメリット、デメリットを天秤にかけて冷静に判断することが求められる。専門家はトランプ政権の関税措置の方向性は今後も変わらないとしたうえで、「アメリカ国内市場は関税の壁で守られた市場になるが、原材料を輸入している場合にはその原材料が高い関税に直面して調達価格が上昇する可能性がある」と話した。企業はアメリカに拠点を移せば関税が課されないため、世界最大の市場において他国からの輸入品と比べて価格面で優位に立つことができる。

皆さんの声 募集中

トランプ氏への期待と失望が入り混じるアメリカの姿をどう感じるか。画面左下のQRコードから声を募集。

WOW!The World
ベッカムさんに「ナイト」の爵位

サッカーのイングランド代表などで活躍した元スター選手のデビッド・ベッカム。50歳で念願の栄誉をついに手にした。イギリス政府から卓越した功績をあげた人に贈られるナイトの爵位。20年に及ぶスポーツと慈善活動が認められた。脱税疑惑をかけられ爵位授与が遠のいたこともあったが、汚名を晴らし子供の頃からの夢を叶えたとBBCは伝えている。

麻薬探知犬 各国で活躍

麻薬探知犬になるために訓練。韓国で大活躍の麻薬探知犬。外国にも進出。タイの空港で手柄をあげた。年末には2匹がヨーロッパ南東部の北マケドニアへ。ミャンマーやマレーシアからも要請がきているという。

世界唯一?“髪の毛博物館” 閉館

アメリカ・ミズーリ州にある世界でも珍しい博物館が39年の歴史に幕を下ろした。レイラズヘア博物館には人間の髪の毛で作ったリースやネックレス、腕時計のバンドなどの工芸品のほか、歴代大統領やマリリンモンローといった著名人の髪も展示されてきた。3000点を超える収蔵品の一部は全米各地の美術館や博物館に寄贈されるという。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
“一帯一路”アフリカからの出展 大幅増

中国・上海できょうから輸入品などを集めた大規模な国際見本市が始まった。150を超える国や地域から約4100社が出展。日本からは国別で最多となる300を超える企業が出展した。今年の見本市で大幅に増加したのは一帯一路に関係するアフリカからの出展。ブースでは肉の加工品や茶葉などが展示されていた。開幕式で李強首相はアメリカを念頭に「ことし話題になっている“関税”が国際経済や貿易のルールを破壊し各国企業の経営を乱した」と話した。そのうえで「多国間主義と国際関係の基本的な規範を堅持する」と強調した。

“16歳未満SNS利用禁止” 対象は9つ

きょう記者会見で対象となるSNSを発表したウェルズ通信相。オーストラリアでは去年12月に16歳未満の子どもがSNSを利用することを禁止する法律が成立。SNSが原因で子どもが亡くなる事態が相次ぎ、親たちから規制を求める声があがっていた。法律の対象となるSNSの運営会社は16歳未満の子どもが新しくアカウントを作れないようにするほか、今あるアカウントを凍結するなどの措置を取る必要がある。オーストラリア政府は“この法律は世界に先駆けたもので他国が追随している”としている。一方、運営会社の多くは“議論が十分ではない”などとして反対している。国として子どものSNS利用を年齢で一律禁止するのはオーストラリアが世界で初めてで、利用者の年齢をどのように確認するのかなど実効性を問う声も出ている。

未解決 ルーブル美術館 窃盗事件

先月19日、フランスのパリにあるルーブル美術館に複数の人物が押し入り皇帝ナポレオンなどにまつわる宝石類、日本円にして約150億円相当を盗んで逃走。パリ検察庁はこれまでに男女合わせて7人を拘束し、このうち3人が釈放されたが、残る4人と他にも関わった人物がいるとみて捜査を続けている。

地方の博物館も窃盗被害に

フランスではことし9月以降、美術館や博物館を狙った窃盗事件が少なくとも3件発生している。南部ミアレにある民間の博物館も被害にあった。15世紀以降の資料や絵画、装飾品などを展示している。ここでは先月7日の午前3時ごろ、ガラスの棚に展示されていた18世紀~20世紀の金の装飾品など約100点が盗まれた。実行犯とみられる人物は柵を上って敷地内に侵入。ドアをバールで破壊し建物に侵入したという。被害額は約5万ユーロ(880万円余り)。美術館などを狙った窃盗事件について犯罪に詳しい専門家は「犯人の多くはもともと宝石店を襲っていたような人たちだ。美術館を一種の宝石店のように考える。すると大通りの宝石店より警備が手薄に見える」と話した。こうした窃盗事件は日本でも起こり得るとしたうえで、“費用をかけてでも必要な防犯対策をとるべきだ”と警鐘を鳴らしている。

「水素ばい煎」で目指すブランド化

気候変動によるとみられる異常気象の影響がコーヒーの生産地を直撃。国際的な研究機関は“世界の流通量の6割を占める「アラビカ種」の栽培に適した土地が2050年までに半減する恐れがある”と指摘している。豆を焙煎する際の火力に二酸化炭素を排出しない水素を活用。

1 - 2

© 2009-2025 WireAction, Inc. All Rights Reserved.