イランの新たな最高指導者モジタバ・ハメネイ師が12日、就任後初めてとなる声明を発表した。声明は本人の肉声ではなく、女性キャスターによる代読での発表だった。代読は20分以上に渡り、アメリカなどへの徹底抗戦や世界中のタンカーが通るホルムズ海峡封鎖の継続を呼びかけた。イラン情勢に詳しい慶應義塾大学の田中浩一郎教授は「世界に『イランは決してひるまない』というメッセージを伝えたかったのではないか。アメリカやイスラエルからの攻撃が続く中だが、戦争を早く終わらせたいという考えはなく徹底的にできるところまで報復していくという姿勢を鮮明にした」と見ている。声明の中では、攻撃で死亡した父親のハメネイ師についても「偉大な指導者の地位を引き継ぐことは困難な任務だ」などと触れられていた。モジタバ師は1969年生まれの56歳で、ハメネイ師の次男。17歳でイランの革命防衛隊に加わったとされる。1980年代にはイラン・イラク戦争に参加し、父・ハメネイ体制においても実務的な補佐を務めたという。今月8日に就任したが、アメリカに対しては父と同じく強硬派とみられている。今回の攻撃では父親のハメネイ師だけではなく、モジタバ師本人も足を負傷したとアメリカメディアが伝えている。モジタバ師は就任後一度も公の場に姿を見せていない。田中教授は「重傷で外に出られない」「暗殺される危険があるため」という2つの理由が推測されると指摘した。実際にイスラエルのネタニヤフ首相は、12日の会見でモジタバ師を攻撃の標的にする可能性を示唆している。日本エネルギー経済研究所の坂梨祥さんは「イランと日本の関係は元々決して悪くない。これまでの関係を維持しつつ、日本として受け入れられないことは主張していくべき」などと話していた。
