龍一郎くんはライデン国立世界博物館を訪れ、収蔵庫内部を案内してもらった。シーボルトと同時代の人が持って帰った作品が4万店ほど収蔵されている。その中にある北斎の肉筆画を2点見せてもらった。掛け軸の肉筆画には北斎の落款がなく、龍一郎くんはそれが密輸した証拠、北斎作品だとバレずにこっそり持ち出せたと話した。細部に渡る筆の運びなど北斎ならではの技術力の高さがわかることから落款がなくても判別できるという。続く作品は西洋画に影響されたようなタッチで、地面に影もなかった。和紙ではなくオランダの紙に描かれており、光沢のあるスベスベの質感。北斎は新しい紙や技法を貪欲に取り入れたと考えられている。