こども家庭庁によると、ことし4月時点の保育所などの待機児童は、全国で2567人と過去最少になった。ピーク時と比べ、保育所などの利用定員が全国でおよそ38万人分増加したことなどが要因。一方で、国が新たな課題として挙げているのが、保育の質の向上。埼玉県戸田市の保育所では園長経験者や看護師などが巡回し、保育士の相談などに対応している。こうした独自の取り組みの背景にあるのが、深刻な保育士不足。市が私立の保育所を対象に行った調査では、全体の6割が「保育士が不足している」と回答。質の高い保育の維持が難しいなどの声が寄せられたという。こうした現場の声を背景に、戸田市は手当を倍増するなど、処遇改善も実施した。こども家庭庁は、保育士への研修の実施や、経験豊富な保育指導職の配置などの自治体独自の取り組みを支援し、全国に広げるためのモデル開発に取り組むとしている。