去年10月から12月までのGDP(国内総生産)速報値がきょう、発表された。前の3か月と比べた伸び率は3期連続でプラスとなった。その中で、GDPの半分以上を占める個人消費の前の3か月と比べた伸び率は0.1%。今回プラスを維持したが、2期連続の0.7%から伸び幅は小さくなった。背景には野菜や米などの物価高による節約志向があると見られる。新宿区のおにぎり店ではお米や具材といった物価の値上がりに頭を悩ませている。この店では去年11月、すべてのお握りの価格を20円引き上げた。米の仕入れ先から2倍の価格を打診され仕入れ先を変えたがそれでも仕入れ価格は5割上昇。値上げは避けられなかった。ほかの具材の仕入れ価格も上がっている。今のところ客足に大きな影響はないものの追加の値上げには客離れの懸念もある。一方、戸越銀座商店街では食料品の値上がりがほかの物の買い控えにつながっている。地元の人が利用する衣料品や日用品などを扱う店や生花店では売り上げが落ち込んでいる。ニッセイ基礎研究所・斎藤太郎経済調査部長は、個人消費はこの1年を通してかなり厳しかったとする一方で賃金は名目で上がってきていると指摘する。そのうえでことしの春闘でどの辺りの賃上げで妥結するかが非常に大きなポイントだと話していた。