手塚治虫の「火の鳥」は全12編で、各編によって主人公や時代設定が異なる。共通するのは火の鳥を巡る物語で、生き血を飲めば永遠の命を手に入れられることから、人々は火の鳥に執着する。プレゼンターの小沢一敬は「火の鳥 未来編」が好きで、人工知能に服従して人類は滅びてしまうことになる。手塚は重視していたのは物語の発表順で、作品は過去、未来を交互に繰り返す。12編の「太陽編」は7世紀、21世紀が舞台。手塚は現代を描こうともしていたといい、タイトルは「火の鳥 大地編」。別のシナリオも存在し、2000年の大晦日が舞台だった。人工臓器、クローン技術の発展で人は死にたくても死ねない肉体となっているという設定。また、「火の鳥」と「鉄腕アトム」の世界のクロスオーバーも構想していたともされる。