今回の番組は「手塚治虫 創作の秘密」。手塚治虫さんに密着したドキュメンタリー番組で、NHKのカメラが妻以外入ることの出来なかった手塚さんの執筆部屋に入るなど今となっては貴重な番組になっている。執筆部屋は都内某所にあるマンションの一室で、本人だけが部屋の鍵を持っている。手塚さんはアシスタントや編集者が入ると創作活動が出来なくなるといい、番組ではNHKのカメラをあらかじめ設置して別室でモニタリングする手法で密着取材を行った。部屋ではレコード音楽を聞きながら創作活動を行い、マンガの世界観に合わせてかける曲を変えている。取材当時は3本の連載作品を描き上げていて、途中テレビを見ながらマンガを一瞬で描いていく離れ業を見せた。執筆部屋は制作室と直通電話で結ばれていて、指示があるとアシスタントが現行を受け取りに行く。どんなに忙しくても主線は必ず自分で描くようにしていて、途中描き直しも挟みながらひたすら描き上げていった。このときは4日後に控えたフランスでの文化サミットに作品を出展するべくほとんど寝ずにマンガを描いていて、出発を1日遅らせて飛行機の機内でまで作品を描いていた。