今日のテーマは「飢餓をゼロに」。暑さに負けない持続可能な米作りの最先端を取材。農研機構を訪問。一見、普通の田んぼに見えるが、新しい品種などの研究を進めている国立研究機関の試験場で、水田には約2000種類もの調査用の稲が植えられている。近年では米の生産に大きな被害をもたらしている猛暑対策として高温下でも品質の低下や収穫量の減少が起こりにくい「高温耐性品種」への転換が進んでいる。暑さへの耐性を調べるための施設を紹介。高温耐性品種は地域に合わせたものがすでに数十種類あり、取り入れる農家も増えてきている。田仲農場では去年の猛暑被害を受け、今年は高温耐性品種の作付けを6割に増やした。ただそれでも白く濁ってしまうなどの被害が出た。田仲農場・田仲利彰社長は「(暑さに強い)品種を選んでも品質が低下している事実がある」と語った。米の新品種の開発には10年かかるともいわれているが、農研では開発期間の短縮や更なる高温耐性の強化を目指している。農研機構作物研究部門・後藤明俊グループ長は「これからの時代に合うタイプを模索しないといけない」と語った。農研機構ではこれまでに7種類の高温耐性品種を開発。今後も観測記録を塗り変える暑さに対抗できるものをつくっていく。