パリ五輪・レスリング男子グレコローマンスタイル60キロ級・決勝・文田健一郎vs曹利国(中国)。東京五輪では銀。観客席からは父と妻、去年生まれた遥月ちゃんが見守る。相手は去年の世界選手権で敗れた曹利国。文田が序盤から果敢に攻めの姿勢をみせる。その姿勢が認められ1ポイントを先取。さらに相手の体を一回転させれば2点。相手を回しきり3-0。試合時間は残りわずか、持ちこたえることができるか。金・文田健一郎は「家族の存在がなかったらもう1回目指そうとも思ってなかった」と話した。2021年東京五輪では銀メダルだった。いちからレスリングを見直す。父が教えてくれた反り投げも封印。しかし、一度は浮かんだ引退。それでも立ち上がれたのは妻・有美さんと去年生まれた遥月ちゃんの存在。世界一の息子になると父に近い敗れた東京。今度は世界一のパパになると誓ったパリ。決勝進出を決めたのは父直伝の「反り投げ」だった。父、妻、娘に誓った約束の金メダル。文田健一郎4−1曹利国(中国)。