根幹にあるのは公益通報をした人がどのように扱われるか。特に大きな権力を持つ人を敵に回して公益通報をした人が、どのように扱われるかという問題。今回兵庫県で起きたことは公益通報者保護という観点からは本当に恐ろしいことが起きている。公益通報をした人が亡くなるという痛ましい事態に発展したうえに亡くなったあとも選挙の中で今もその方のプライベートな情報とするものが流布されている。知事としてどのように対応する考えがあるのかと直接聞いたが、ひと事のような回答しかなかった。知事本人に対する批判が書かれた文章がまかれたときにすぐに知事の権限を使って犯人捜しをして、会見で嘘八百、公務員失格などと激しく反応したこととあまりに違う対応ではないか。大きな組織のトップに立つ政治家は元部下やその家族の人権を守る姿勢を見せてほしい。兵庫県知事を通じてオールドメディアはSNSの力をまざまざと見せつけられた事実は率直に受け止めなければいけない。萎縮して自由にものが言えない社会は民主主義ではない。フェイクニュースや真偽が定かでない情報が瞬く間に広がる中で、誤った情報で有権者が政治参加することは民主主義の基盤を揺るがす事態。