宿題を去年なくした山形県の公立小学校。そこには宿題をなくすことでみずから考え、学ぶことを大切にしてほしいという思いがあった。山形県新庄市の日新小学校。それまで全員に出していた宿題を廃止したのは1年前。代わりに学校が用意したのが、国語や算数などのプリントが並んだ家庭学習コーナー。子どもたちがやりたいことを自分で選ぶ。学校への提出もない。勉強への向き合い方が変わったという子もいる。小学5年生の男の子。以前は泣きながら宿題をやることもあったが、今では自分から勉強に取り組む姿も見られるようになった。当初、保護者からは不安の声も聞かれた。1学期の終わりに取ったアンケートでは「全く勉強しなくなった」「学力の低下がひどい」「ゲームばかりしている」といった意見が寄せられた。どうしたら子どもたちに前向きに勉強してもらえるのか。学校が目指したのが、もっと学びたいと思えるような授業。子どもたちが受け身にならないよう、先生は繰り返し質問をしてアイデアを引き出す。ことし1月、学校では学習内容の定着度を確認する学力テストを行った。その結果、全体としての成績は例年と変わらなかったという。