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オープニング映像。
環境大気常時監視測定局は大気汚染物質が人体に影響がない環境基準に収まっているか監視している。全国1800カ所に同じような測定局が設置されていて、その測定結果は環境省のホームページで公開されている。今回のガリバーは大気や水質などの計測機器メーカー・東亜ディーケーケー。
安全で良質な水道水を供給するため、水の濁りや消毒のための塩素濃度等の検査が自治体などに義務付けられている。水質測定器は東京都内だけでも130カ所以上に設置されている。東亜ディーケーケーの年商は174億、従業員数は583人。国内16カ所に営業所や子会社などを持ち、タイにも事務所を構えている。水質と大気の計測器を主力に、ガスや医療分野に至るまで様々なものを測る装置を製造している。東北電力の上越火力発電所では顧客のニーズにいち早く応えた。この発電所は液化天然ガスを燃料とする最新型発電所で、世界トップレベルの発電効率を達成した。トラブルなく発電するために必要なのが東亜ディーケーケー製の水質計測装置。発電所内を循環する水は水蒸気となってタービンを回すなど重要な役割を果たしている。水が酸性の場合、配管が酸で腐食してしまうため、pHをアルカリ性に維持する必要がある。
酸性かアルカリ性かはプラスの電気を帯びた水素イオンが多いか少ないかで決まる。内部に中性の液体を入れたガラスを酸性の液体に入れるとマイナスの電圧が発生する。アルカリ性の液体に入れるとプラスの電圧が発生する。電圧を測ることでpHを計測している。繊細なガラス製のpH計の先端部分は一つ一つ人の手で作られている。pH計を組み立てていく工程も手作業。pH計は用途に酔って様々な形があり50種類以上にものぼる。大気計測器も少量多品種のため組み立ては一つ一つ人の手で行っている。組み立て後、全ての製品は試験が行われる。
1944年創業の東亜電波工業は主に研究室で使われる卓上型の水質分析計を得意として、1954年発売のpH計はベストセラーとなった。1945年創業の電気化学計器はプラントなどで24時間使われる計測器を得意としたメーカー。戦後、公害が社会問題となる中で、光化学スモッグの計測器や河川の水質監視装置を開発した。1990年代に壊滅的な危機となり、2000年に合併して東亜ディーケーケーが誕生した。2001年、赤潮発生を防ぐため窒素・りんの排水規制の実施が決まった。1台で窒素・りんを同時に測ることができる自動測定装置を発売して、多くの工場で採用された。その後も環境規制がより厳しくなる中でPM2.5の計測器を開発。また、災害時でもバッテリーで動く水道水用測定装置を開発するなど時代のニーズに合わせて次々に新製品を発売。
狭山インテグレーションセンターは省エネルギーというコンセプトに基づいて、地中熱を利用した冷暖房空調を採用している。屋上には太陽光発電システムを導入している。この新施設はオーダーメイドの大型機器の開発生産拠点の役割も担っている。隣りにある医療関連機器の生産棟では人工透析液用の粉末溶解装置を作っている。薬液の濃度管理などに東亜ディーケーケーの水質測定技術がいかされている。また、医療用液体から人体に害となる異物を排除するためにルシフェラーゼを使って濃度検出する研究をしている。
「病気を治す方ではなくて病気を未然に検知できるような分析計を目指している」と高橋社長は語った。
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知られざるガリバーの次回予告。