深刻化するトラックドライバー不足。政府はそれを解決する革新的な物流システムの実現に向けて動き出した。総理官邸で開かれた物流問題を議論する閣僚会議。岸田総理は物流インフラの維持に向けて抜本的な対策を打ち出す考えを強調した。2030年代半ばまでに自動物流道路の構築に取り組む考えを明らかにした。高速道路などの空きスペースを物流に利用するという構想。東京外かく環状道路の中央分離帯に続いている白い壁。この部分が高速道路の空きスペース。白い壁の中にはベルトコンベヤーがある。トンネル工事で発生した土砂を運ぶためで全長はおよそ6kmにも及ぶ。終着点である和光北インターチェンジには大量の土砂が積まれていた。ベルトコンベヤーが運搬する土砂は東京ドームおよそ2個分、240万立方メートル分。10トンダンプで、およそ50万台分に上る。空きスペースに設置したベルトコンベヤーで運ぶことで交通渋滞を緩和。人件費も削減できる。空きスペースを活用することで自動物流道路の実現を目指すとしている。自動物流道路は高速道路の中央分離帯や路肩などの空いているスペースもしくは道路に沿った地下などに物流専用レーンを作る。そこを自動運転のカートが24時間無人で荷物を運ぶことを想定している。実用化に向け、建設中の新東名高速道路新秦野から新御殿場までの間で2027年度までに社会実験を行う予定。そして2030年代半ばまでに大都市近郊の渋滞が多い区間などで実現を目指す。