子育て世代のためのちょっと変わった絵本屋は、お客さん同士が初対面でもお構いなしに絵本の読み聞かせを無茶ぶりする書店。店主・前園敦子さんは「(子育ての)大変さが分かるから、何か支援していきたいと思って始めたのが本屋。こどものため、ママのため、私のために」と話し、この書店を“子育てに悩む親たちの交流の場にしたい”という。そのきっかけとなったのが、自身の子育てでの経験で、前園さんは「子育てノイローゼになっちゃったの。子供を厳しく育てようとした。そういう日に限って毎晩、子供が持ってきたのが、この絵本」「この本を読んでいる時、私も優しい言葉で『おやすみ』って声をかけられてた。後になって子供が『この本読んでいる時が一番お母さんらしかった』」と話し、一冊の絵本「ぼく にげちゃうよ」(ほるぷ出版)が前園さんの心を癒してくれた。この経験から“絵本が持つ力を伝えたい”と1一念発起した。開店から36年目を迎え、今ではママや子供たちの憩いの場に成っている。前園さんは「『心も体も元気になって帰れる』そんな空間を大事にしていきたい」と話す。前園さんの“アスヨク”ソング・新沢としひこ「世界中のこどもたちが」。