地方の鉄道路線で人口減少などを背景に路線の維持が課題となる中、JR東日本は1日1キロ当たりの利用客が平均で2000人未満の区間を対象に昨年度の収支を公表した。公表は在来線の66路線190区間のうちの36路線72区間で、収支はいずれも赤字で、赤字の総額は757億円となっている。利用客の減少などで対象の区間は2019年度の利用客数をもとに公表した前の年度の34路線62区間から2路線10区間拡大し、赤字の総額は109億円拡大した。赤字額が最も多かったのは、羽越本線の新潟県の村上駅と山形県の鶴岡駅の区間で、49億6800万円の赤字だった。JR東日本は、「コロナ禍から改善した区間は多くなっているものの、引き続き多額の赤字を計上しており、地元との間でさらに議論を進めていきたい」としている。一方、JR西日本は1日1キロ当たりの利用客が平均で2000人未満の区間を対象に、昨年度までの3年間の平均の収支を公表した。対象となる17路線30区間の収支はすべて赤字で、赤字の総額は233億円余りとなった。