東京電力ホールディングスは、福島第一原発の事故のあと、政府から賠償などにかかる費用の支援を受ける前提として、10年間の収支の見通しも盛り込んだ総合特別事業計画を策定している。会社では今月、筆頭株主の国の認可法人とともに、4年ぶりに新たな計画を策定する予定だったが、関係者によると、きょう開かれた有識者の会合で、今月中の策定を見送ることになった。見送りとなった主な理由に、新潟県の柏崎刈羽原発7号機で、テロ対策施設の完成が遅れることがある。原発が再稼働すれば、1基当たり年間1000億円の収支の改善が見込めるが、完成の遅れで7号機は再稼働してもことし10月以降、3年から4年程度、運転できなくなり、今月中に長期の収支の見通しを示すのが難しくなったため。新たな計画について会社では、ことし夏以降の策定を目指すことにしている。