2009年に中国の新疆ウイグル自治区で起きた大規模な暴動からきょうで15年。FNNは、中国化が急激に進む街の今を取材した。中国北西部に位置し、少数民族が暮らす新疆ウイグル自治区。中でもカシュガル市は、人口の90%がイスラム教徒であるウイグル族。かつて点在していたイスラム教徒の礼拝施設・モスクの閉鎖や改造が相次いでいる。中国政府は「モスクが過激派の拠点になっている可能性がある」として、イスラム教徒の宗教色を薄め街の中国化を加速させている。当局が認めていない宗教活動を見つけたら通報するよう促すなど、統制の強化も進んでいる。またイスラム教徒の食事に欠かせない牛や羊が取引される市場では、刃物が厳重に取り扱われていた。斧の柄の部分が鎖でつながれ丸太に固定され、中にはQRコードが刻印された刃物もあった。これらは過去に暴動が相次いだことを受け当局が進めた対策で、刃物が誰のものかを管理している。QRコードによる管理は、ウイグル族の住宅でも行われていた。街では警察官が至るところで目を光らせ、防犯カメラも多数確認できた。2009年に起きた「ウルムチ暴動」以降、テロ活動の一掃を図り経済発展に力を入れた結果「住民の収入は倍増し安全と安定がもたらされた」と強調する中国政府。しかし、その統制は強化されたまま。