「TOKYO-PEKING」は東京から北京までの鉄道の記録で、全編英語のナレーションがついている。乗客はなぜか、欧米の女性。すでに日中戦争が起き、北京には臨時政府がつくられていた。映画が製作されてから3年後、太平洋戦争が勃発する。立教大学の千住一教授は「観光映画といわれるジャンルの1つだと思う」と話す。当時、日本は外国人の観光客誘致に力を入れていた他、円安もあって日本観光の人気は高まっていた。さらに観光客を増やすため、上記の観光映画が製作されたという。終着地である北京の映像では人々が普段どおりの生活を送っていて、日本に占領されても平和は保たれていると表現しようとしていた。