毎日利用する方も多いエスカレーター。よく見られるのが片側だけ人が立ち止まって空いた側を歩く人が追い抜いていくという光景。関東では左側に、関西では右側に立っている人が多い。ただ本来エスカレーターは歩いて使うことは想定されていない。こんなデータもある。業界団体が行った調査ではエスカレーターの事故のうち歩いてつまずくなどの乗り方不良、これが最も多く全体のおよそ半数を占めている。さらに空いている片側を歩く行為はけがや病気、障害でどちらか一方に必要がある人たちの妨げにもなっている。ふだん地下鉄を利用する川瀬正広さん。11年前の脳出血の後遺症で左半身にまひが残りエスカレーターを使う際に不便を感じている。本来は自由がきく右側から乗り込みたいところだが、混雑しているときは左側から乗ることになってバランスを取ろうと右手が出ることもある。過去には右側に立っていて嫌な思いをしたこともある。鉄道事業者も改善に取り組んできた。ほかの鉄道事業者と協力して立ち止まって乗るように周知をしている。ただ、長年かけて根づいた慣習を変える難しさを感じている。