東京交響楽団は22日、タイ・バンコクで特別演奏会を行った。チケットは完売で会場は大変な盛り上がりだった。演奏会はアジアを拠点に音楽を通じた国際交流の一環で、東京交響楽団は2月に協力協定を調印した。現地のオーケストラと合同で演奏会を行ったり、ワークショップを行ったりして交流を深めることにしている。廣岡克隆楽団長は、アジア全体で音楽のレベルを上げていきたいとしている。先日亡くなった小澤征爾さんは、東洋人にはクラシック音楽ができないという偏見を打ち破った先駆者として知られる。クラシック音楽の裾野を広げる目的があり、同時に日本に親しみを持ってもらう狙いもある。今年2月の訪日外国人は84.5%がアジアからで、演奏会を行ったタイからは2010年には約20万人だったものが、2019年には約132万人に増えた。日本オーケストラ連盟・国際交流基金は11人の日本人演奏家をタイ・フィリピン・ベトナムに派遣している。クラリネット奏者磯部周平さんは、N響を退団後、ベトナムのオーケストラに参加した。しかし、ベトナムではメンバーのほとんどがオーケストラだけでは食べて行けず、他の仕事と掛け持ちしている。異なる文化に触れて刺激を受けて自分も成長できると磯部さんは強調していた。