熊本県菊陽町では、あさって、台湾の大手半導体製造メーカー・TSMCの工場の開所式が行われる。周辺には、多くの関連企業が集まり、地価も上昇している。地元では、居酒屋で予約が埋まったり、ホテルでTSMC関係者の予約が相次いだりしている。隣の大津町では、TSMC関係者の入居を狙い、マンションの建設ラッシュが進んでいる。工場近くの道路は、通勤時間帯は、TSMC関係者などの車で常に渋滞するようになった。半導体は、製造の際、多くの水を使用する。農業用水が出にくくなったと話す農家もいた。地価の上昇で、土地の売却が相次ぎ、農業の継続が難しくなるという不安の声も聞かれた。今月、TSMCは、菊陽町に、第2工場を建設すると発表した。日本政府は、これに、ひとつめの工場への支援を上回る補助金を投じる方針だ。海外企業の進出でもたらされる潤いと地域住民の暮らしをいかに両立するか、日本政府には、その舵取りも求められている。