東京電力福島第一原発の廃炉への道で相次ぐトラブル。福島第一原発におよそ880トンあると推定される核燃料デブリ。その試験的な取り出しに向けた作業は先月10日に始まり、取り出し用の装置を使って、デブリと見られる堆積物に接触させた。しかし、先月17日、装置の先端にある2台のカメラで映像が確認できなくなる不具合が発生し、作業が中断。そもそも8月22日に着手予定だった試験的な取り出しは、装置の取り付けミスでおよそ3週間延期され、先月10日に始まったが、1週間で中断した。東京電力は3週間近くカメラの復旧を試みたが、今月7日に、故障した可能性があるとして交換すると発表した。東京電力は、カメラを交換する事態を事前に想定していなかったという。専門家は、廃炉作業の取り組み方を見直すべきだと指摘したうえで「環境を踏まえて実験や評価をしてどういうことが起こり得るか想定しなくてはいけない」とコメント。東京電力はきょう、早ければ来週からカメラの交換作業を始め2週間程度かかるとする見通しを示したが、順調に進むかは不透明で、その後の手順なども精査が必要で、デブリを取り出す時期のめどは立っていない。