- 出演者
- 佐々木快 森山みなみ
オープニング映像と挨拶。
埼玉県八潮市で起きた陥没事故。近年、インフラの老朽化による事故が頻発している。古い水道管は耐震性も低く、能登半島地震の被災地では広い範囲で断水被害を招き、復興の遅れにつながった。災害から水道インフラを守るため、全国74万kmにわたり張り巡らされた水道管の多くが、耐震性を備えた水道管への更新を迫られている。東日本大震災の被災地・仙台で水道局の職員が撮影した写真。この1枚に水道インフラを守るための教訓が残っていた。当時、地震と津波による甚大な被害が出た仙台市。一部地域では、耐震型の水道管が導入され、水道管自体は無傷で断水しなかった地域もあった。耐震型の水道管を製造するメーカーを取材。口径500mmの水道管は、地震による地盤の変形などにより、接合部分”継ぎ手”に150トンの力が加わっても抜けることはない。しかし、耐震化にはコストや時間もかかるため、一気に工事を進めることはできない。そんな中、耐震化を効率的に進めるため、ある最新技術が広がり始めている。ITベンチャー企業フラクタジャパンを取材。独自に開発したAIが、水道管の老朽化などのリスクを解析する。更新の優先度の高い部分は大幅に絞り込むことができ、効率的に更新することが可能になる。福島県会津若松市にある地域周辺は、AIによって水道管の更新の優先度が比較的高いと判定されている。まさに耐震型の水道管に取り換える工事が行われていた。AIの判定で該当した水道管はどのくらい劣化しているのか。劣化がどのくらい進んでいるか調べるため、専門機関に持ち込み分析する。水道管の内部は錆が幾つも重なっていた。金属部分の断面は黒く変色。鉄が黒く変色していた部分は錆とともに剥がれ落ちていた。AIが更新する必要があると判定した水道管の8割近くが、実際に更新しなければいけない状態で、漏水していることもあるという。1年に4kmほどしか進まない会津若松市の水道管更新工事。従来の判定方法では約400kmが更新する必要があるとされていて、今のペースで全てを更新しようとすると約100年を費やす計算になる。一方、AIが優先的に更新する必要があると判定したのは、55km。老朽化したところを先に工事することで事故のリスクを減らすことができる。AIは、200以上の自治体が実際に導入、または導入を検討している。
災害対応に使われるドローンを紹介。この機体が被災地上空を飛び回り、救助を必要としている人がいないか見回る。救助者を発見するとスピーカーから話しかけ避難誘導もできる。300m離れた場所からも聞き取ることができる。外国語にも対応。
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- アナウンサードローン東京消防庁東北大学
現在福島第一原発の原子炉の格納庫には大量の核燃料デブリがあり、1・2・3号機合わせて推計約880tに上るとされている。廃炉に向けてはこの核燃料デブリの除去が必要で、去年11月には2号機で事故後初めてとなる核燃料デブリの試験的取り出しに成功した。先月には処理水を貯めていたタンクの解体が始まり、跡地には核燃料デブリ取り出しの関連施設を建設するとしている。2号機の燃料デブリ取り出しは格納容器にある60cmほどの穴から装置を入れて行われる予定だったが、何回かトラブルが発せした後成功した。
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- 富岡町(福島)福島第一原子力発電所
今回番組では福島第一原発で取り出された核燃料デブリの模型作成を3Dプリンターで行った。デブリは小石ほどの大きさで約0.7g。1~3号機までの推計デブリ総量は880tで、およそ12億倍の燃料デブリが残されている。取り出されたデブリは分割され、廃炉作業に向けて分析が行われている。これまでの分析では表面にウラんが広く確認され、冷却のため注がれた海水由来の成分なども検出された。東京電力は取り出しと分析を繰り返し、大規模取り出しの道筋をつけたいとしている。
デブリの大規模取り出しについて東京電力は、年内に大まかな設計をまとめ2051年には廃炉を完了するとしている。一方廃炉について国などに提言をしてきた専門家は2051年までの完了は「非常に難しい」と指摘している。880トンものデブリをどのように取り出していくのか、具体的な方法は現在も模索中。その方法を決めるにあたり、今回のような取り出しを10回程繰り返す必要があるという。廃炉検討委員会は廃炉完了まで100年以上かかるとの試算を出している。
東日本大震災の被災地から中継。岩手県陸前高田市では、7万本の松が津波により1本を遺し全て流された。残された1本は「奇跡の一本松」として復興の象徴となっている。今日は日の出から多くの人が集まり、早朝から鎮魂の祈りに包まれている。宮城県南三陸町では、街の職員ら43人が犠牲になった。防災庁舎は見ていると辛いという遺族らの声を踏まえ、解体か保存かで揺れていた。去年3月、町長が保存すると表明し、7月に正式に街が管理する震災遺構となった。今後は防災の教訓を後世に伝える役目を担う。福島県・大熊町では、子どもたちが折った2025羽の折り鶴が飾られている。
震災について佐々木快は「改めて私達は災害と災害の間を生きていることを感じなければならない。」、森山みなみは「どんな災害にも耐えられるインフラこそ未来への投資だと感じた。」などと話した。