コミックバンドとして人気を博したザ・ドリフターズが挑戦した公開生放送のコント番組「8時だョ!全員集合」。緻密に計算されたボケとアクションで、リーダーのいかりや長介は、コント55号とは真逆の台本主義にこだわった。メンバーは当時について、毎週木曜日3時にTBSで打ち合わせをしていた、終わるのは早くて夜11時か12時、明け方になることもしばしばあったなどと振り返る。名物「屋台崩し」は、生放送という緊張感もあいまって、お茶の間は釘付けになった。パトカーが屋根に飛ぶ演出は、いかりや長介が提案したという。いかりや長介の台本主義に、当時の制作スタッフも食らいついた。美術デザイナーの山田満郎は、番組開始から終了まで、のべ803のセットをデザインした。山田は、番組が失敗したらドリフターズは無くなっちゃうから、いかりや長介は真剣だった、危険なことをやめないで、いかに安全にやるかが大事だなどと話した。「8時だョ!全員集合」は、お笑いバラエティー番組史上1位となる最高視聴率50.5%を記録した。