きょうの“これだけ覚えて!ニュースな言葉”は、日本語の歴史や文献に詳しい山口謠司が、私たちと「お米」の深いつながりについて授業する。今、“令和の米騒動”とも言われ、お米が日本中で注目された。私たちの生活に深く関わっている「お米」を見直していく。「米」という漢字は、「八十八」の漢字の組み合わせで出来ていて、88回もの手間がかかるという意味。他にも、精米したお米の粒を見ると、透き通って中から光を四方に放っているイメージから来たとも言われている。私たちが日常で使う漢字には、「粒」「粉」「料」「枠」など「米」に関係する言葉があり、日本の文化にも関わっている。また、日本の伝統文化にも「お米」は深い関わりがあり、各地で行われるお祭りや行事は稲作に関係しているものが多い。お祭りや行事は豊作の祈りや感謝の意味を込めて行われていて、例えば相撲も米などの農作物の収穫を占う儀式として行われた。相撲の「四股を踏む」という動作は、邪悪なものを土の下に押し込むという意味がある。江戸時代は、「年貢」という形で幕府が領主から米を納めさせていた。お米は経済の基盤なので、不作や災害などがあると国中が混乱してしまう。“お米がみんなに行き渡るように”というための備えは、今の備蓄米と同じように昔もあった。「お米」が深く関わっているのが日本の食文化で、食事のことを「ごはんを食べる」というが、「ごはん」は“お米を炊いたもの”というものを指していた。お米が主食だったことから“ごはんを食べる”というようになった。加工食品や和食に欠かせない調味料にも、お米が使われている。お米は和食文化の中心であるということを見直してほしい。