今回の企業は日本精工。2018年3月の売上高は1兆円に到達したがその後、新型コロナの影響や中国経済の低迷などで2500億円以上も現象している。現在売り上げが回復しつつある中、事業のポートフォリオの改革も含め再び1兆円の大台に乗せる目標を掲げている。日本精工・鈴木啓太CFOは財務部分に精通し去年、代表薬専務・CEOに就任した。電気自動車向けベアリングの超低摩擦品と現行品を回して比較すると、現行品は負荷がかかるが超低摩擦品は半分以下の力で回すことができ、摩擦力が小さいほど力が少なくて済む。自動車に使われるベアリングは電気自動車ではエンジン車より約2~3割減少するといわれている。売上の半分以上を自動車向けがしめている日本精工にとってEVの普及は売上が減ることを意味し、そこで付加価値の高い高性能のベアリング開発に注力している。時代の変化に対応するため欠かせないのが開発スピードや生産効率のアップ。日本精工はデジタルツイン技術に注力で担当部署の規模を3年間で7倍に拡大した。中期経営計画ではデジタル分野への投資で生産性を1.5倍にすると表明している。x自動車に次ぐ主力事業である産業機械については、鈴木CFOは「中国の景気の低迷を大きくうけている。日本の顧客が工作機械や半導体製造装置を中国に輸出している。産業機械事業はなかなか需要が戻ってこない・産業機械の中でも収益力が高いアフターマーケット。OEMよりも収益が高い、そこを積極的に伸ばしていきたいと考えている」などと話した。そのサービスの1つとしてモバイルアプリを使ったベアリングの劣化診断で、すぐに診断結果が表示され、グリースの交換時期や交換周期を簡単に知ることができる。今後、国内外で市場調査を行い2025年度にサービス開始予定。鈴木CFOは「ベアリングを売って終わりではなく、売って状態を監視して修理。モノ売りとコト売りを合体させ市販ビジネスを伸ばしていきたい」「ポートフォリオを変えていく、売り上げは自動車が6割ぐらいあるが、産業機械5割、自動車5割にしていく」などと話した。モーサテプレミアムでは鈴木CFOのロングインタビューを配信中。