「中国・月裏側着陸・安保資源競争優位に」。将来の基地建設に向けた地質調査をするため、世界各国は探査機を相次ぎ着陸させる計画だが、主戦場は月の表側だ。中国が裏側を狙うのは世界初の成果を出す事で国威発揚につなげるほか、月の開発を有利に進めるために裏側にある資源などの情報を集める狙いがあるとみられる。月には水資源のほかに核融合発電の燃料となる「ヘリウム3」や、建材などに使えるアルミニウムやチタンといった金属がある。資源がどのように分布しているかは十分にわかっていない。日米欧は中国が月の裏側に軍事基地をつくろうとしているのではないかと警戒する。地球の上空を飛ぶ軍事衛星なら地表からミサイルを撃って破壊できる。月の裏側にある構造物は地球から直接破壊するのは難しい。月の裏側への着陸を目指すなかで培う衛生のノウハウも今後の武器となる。(日本経済新聞)