新年度予算案を巡って自民、公明両党は日本維新の会との合意内容などを反映した修正案を国会に提出した。一方、立憲民主党も3兆8000億円規模の独自の修正案を提出。攻防が大詰めとなっている。今日、開かれた衆議院予算委員会・理事会。自民党、公明党と立憲民主党がそれぞれ新年度予算案の修正案を提出したことが報告された。自民、公明両党の修正案は日本維新の会と合意した教育無償化の具体策などを反映。税制関連法案の修正案では国民民主党との税制協議で示した与党案に沿って「年収103万円の壁」を見直し、所得税の課税最低限を160万円に引き上げることなどを盛り込んでいる。一方、立憲民主党の修正案は予備費や基金から3兆8000億円規模の財源を捻出し党が掲げる給食費の無償化などに振り向ける内容。政府の当初予算案が国会審議で修正されれば平成8年の当初予算以来、29年ぶりとなる。衆議院予算委員会では集中審議が行われた。昨日の参考人聴取の中で旧安倍派の会計責任者が一度は取りやめを決めた還付について3年前の8月の幹部協議で再開の方針が決まったという認識を示したことなどについて立憲民主党・奥野総一郎衆院議員は「一番の問題は違法性の認識。再調査をすべきではないか」とただし、石破首相は「自民党、検察当局において結論を出した事柄。そのようなことは考えていない」と述べた。田村貴昭衆院議員は「幹部だった方々に聞き取りをして全容解明する責任がある」とただし、石破首相は「党として真実が解明されるように、さらなる努力が必要」と述べた。企業団体献金を巡って自民党・小泉新次郎衆院議員が「公開を強化する形で来月で決着をつけるべき」とただし、石破首相は「企業団体献金を禁止するとお金持ちしかなれないことが起こる。単に禁止をすればいいとは思っていない」と述べた。日本維新の会・池下卓衆院議員は「信頼回復のため企業団体献金禁止は不可欠」とただし、石破首相は「禁止よりも公開。公開性、透明性を高めたい」と述べた。政治資金をチェックする第三者機関の設置に向けて国民民主党・浅野哲衆院議員は「“政治資金監視委員会設置法”ぜひ早期に実現したい。内容の具体化、総理の協力も仰ぎたい」とただし、石破首相は「重大な関心を持っている。特別委員会などの場で真摯な議論を行い協力できる部分は全面的に協力したい」と述べた。このほか政治改革などを巡っても論戦が交わされた。公明党・中川康洋衆院議員は「当選無効となった議員の債務返納の義務付けは今国会で成立を図るべき」とただし、石破首相は「法改正の実現に向けてさらに議論を加速させていく」と述べた。教育についてれいわ新選組・大石共同代表は「教員の非正規化、経営悪化が進んでいる。公教育のための整備をしていく必要がある」とただし、石破首相は「教員追負担をどうやって減らしていくかがいちばん重要」と述べた。今日、自民党と立憲民主党の国会対策委員長が会談。旧安倍派の会計責任者の参考人招致を受けて立憲民主党・笠国対委員長は「旧安倍派幹部4人の参考人招致と手中審議を行うべき」と主張。これに対し自民党・坂本国対委員長は「新年度予算案が成立したあとの集中審議の開催には応じる」とした一方、参考人招致については「4人とも説明を尽くしてきた」などとして、その必要はないという考えを伝えた。予算案が憲法の規定で年度内に自然成立するあさってまでの衆議院通過は見送られ、週明けには与党と立憲民主党がそれぞれ提出した修正案の審議が行われる。採決は来週火曜日以降になる見通しで予算案を巡る与野党の攻防が衆議院で最終局面を迎える。
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