年末のクール便がどうなっていくのか解説。物流業界はもともと人手不足。2024年問題があり、ドライバーの労働時間に上限が設けられ、輸送能力が低下。さらにクール便は基本手渡しで置き配が出来ないという特殊性がある。佐川急便では車両保有台数は2万5992台でクール対応は1万3740台で全体の半分程度。さらに、冷凍倉庫での作業があるため、経験値のある作業員も不足しているという。元宅配ドライバーによるとクール便は発泡スチロール梱包などでサイズが大きくトラックに積みきれないこともあるという。
クール便の配送体制について。荷主が営業所に持って行く場合、クール便は一旦保冷施設に入れ、仕分けをし、対象エリアに配送し、地域の営業所から個人へわたる。 佐川急便の場合、最初に営業所にあるべき保管所の施設の容量が足りなくなりそうだという。12月はお歳暮やおせちの購入、ふるさと納税の返礼品などで需要が増加しているという。対応としては、全国の営業署に冷蔵・冷凍コンテナを臨時設置し、出勤人数を増やすなどしているという。対応のおかげで年末は通常通り配送できる見込みだという。クール便はすべて日時指定にし、再配達となった場合には配達手数料をとるなどの対応が必要と風間氏は指摘。お歳暮などについて、サプライズではなく、あらかじめ連絡する社会習慣になるといいと坂田氏は話した。
各社の状況を紹介。ヤマト運輸は、今月、他の月と比較し約2倍の発送量となる見込みだという。そのため、人員・車両・機材などを適正に配置し安定したサービス提供に努めるとしている。日本郵便も12月は取り扱いが多いという。必要機材を事前に確保し、需給調整をし、おせちなど大口の差し出しは事前に情報確認し計画どおり配送できるよう準備しているという。西濃運輸は小売業などへの配送が多いという。12月は平均より約10％取り扱いが増えているといい、急な場合他社と協力してトラックの台数を増やすなどするという。