愛宕さんはきょうのテーマに「日銀の利上げは合理的か」と挙げ、「利上げが合理的ではないと言いそうですがそうではなくロジックの話。日本銀行が追加利上げを考えていると思うが、ロジックとして7月の金融政策決定会合の声明文の中に記載されている文言を見てみると、『展望リポートで示した見通しに実際のデータが沿って推移すれば、それに応じて引き続き利上げをする』と明記されている。日銀が今考えている見通しというのが、『物価安定目標2%がゆくゆく実現します』ということが前提なので、2%の目標が実現することを前提としたロジックで利上げをしようとしている。今の物価状況を考えると、そのロジックは大丈夫なのか?ということがきょう話したいこと。実際の物価の動きを見てみると、生鮮食品とエネルギーを除くと書いているラインが全体として考えると、7月の月間が1.9%と2%をすでに割っている。これを”財”と”サービス”に分けて、”財”を見てみると一時7%を超えていたものがずいぶん落ち着いてきている。それに加え”サービス”にも注目。サービスもいっとき2%を超えていたが足元では1.4%となっている。賃金が上がったので物価も上がっていくというもので象徴されるのがサービス。そのサービスがスローダウンしているのがどうなのか?という話。加えて日本銀行が示している刈込平均値・果汁中央値・最頻値はいずれも2%を割っている。基調を示すものも2%を割り込んできている状況で大丈夫なのか?という話。私は最近、前年比ではなく指数の水準で見るようにしているんですが、指数の水準を2013年3月を100としてみると、2%ラインと1%ラインをたどっていくと生鮮食品とエネルギーを除いた値は1%のライン付近を沿って動いている。ポイントは生鮮食品除く食料で、結構動いて推移している。これは日本銀行がいう目標と近い動きだが、帰属家賃と公共サービスはずっと水平飛行。意外とこの2つだけでもウェイトが3割を超えてしまう。動かない品目は結構あるので集めて”アンカーグループ”と名付けて全体と80年から比較してみると、動かない品目のはずだが実は同じペースで上がっている。グラフは1997年を100としているが、その理由は賃金。所定内給与の水準は80年~97年の間に年率で3%上昇している。97年に何が起こったかというと”アジア危機。それが波及して日本でも金融危機っぽいものが起き、本格的には98年に金融危機が起こった。その頃から日本の賃金は上がらなくなったと言われている。80年代~97年までの姿が再現できれば物価安定の目標である2%が実現するんじゃないの?っていうふうに見えて、実際に散布図を書いてみるとそう見える。ただし経済構造などは80年代とぜんぜん違うので、単純に当てはめられるかと言うとそうではないのではないか。ということで、日銀がとっているロジックは大丈夫なのか?正念場を迎えるのでは?というのがきょうの趣旨」などと話した。