きょうの為替について高千穂大学・内田稔の解説。ドル円の予想レンジは157.10円~158.10円。引き続きドル高に牽引されてドル円も底堅く推移するとみられる。衆議院選挙翌日の高値157.76円がターゲットになりそうだ。注目ポイントは「中東情勢緊迫化による為替相場への影響」。中東情勢が緊迫化すると原油相場に上昇圧力が加わると、複数の経路を通じて円安が進みやすくなる。貿易赤字の拡大のほか、日銀の利上げの後ずれと輸入インフレへの波及は実質金利の低下となってドル高円安傾向につながる。足元の投機筋のポジションを見ると、概ね中立となっていて円の買い戻し圧力が加わりにくい状況。過去20年のうちロシアがウクライナに軍事侵攻した2022年までは市場がリスク回避的になりVIX指数が上昇し円高が進む傾向があった。円安が顕著に進んだ2022年3月以降はVIX指数がいくら変化しても円相場はほとんど変化せず、統計的にも優位ではなくなった。2022年以降に拡大した日本の貿易赤字やマイナス圏に陥ったままの実質金利によって強い円安圧力が加わっていると考えられる。有事のドル買いが円買いを相殺している可能性も考えられる。過去に比べてリスク回避の円買いは生じにくくなっている。
