NISAの拡充でより多くの投資を呼び込もうと、株式を複数に分割して株価をより少額にする「株式分割」を実施する企業が去年を上回るペースで増えている。ただ、株式市場では不安定な値動きが続いていて、個人が安心して投資できる環境をつくれるかが課題。株式分割は、ひと株を複数に分割して増やす一方、株価はその分少額になり、企業にとっては個人を中心に幅広い層から投資を呼び込みやすくなるとされている。東京証券取引所によると、ことしに入って先月末までに株式分割を決議した上場企業は139社となり去年1年間を上回るペースで増えている。NTTは去年、ひと株を25株に分割し、1万円台から投資できるようにした結果、東証によるとことし3月末の時点の株主の数が前年同期比2.5倍に増加した。ただ、国内の株式市場では、不安定な値動きが続いていて、企業にとっては個人が安心して投資できる環境をつくれるかが課題となりそう。