北三郎さんは宮城県内の児童福祉施設で暮らしていた中学生の頃、施設の職員に病院に連れて行かれ麻酔を打たれ、知らぬ間に不妊手術を受けていた。手術を可能にしたのは旧優生保護法で、障害のある人などに本人の同意なしに不妊手術をすることを可能とするものである。手術を受けた人は全国で約2万5000人で、2018年に北さんは他の被害者が裁判を起こしたことをきっかけに賠償を求め国を提訴した。二審で東京高裁は「強度の人権侵害を行なった」とし、国を断罪し賠償を命じた。国は不法行為から20年提訴がないと賠償を認められない「除斥期間」を理由に最高裁に上告した。29日、最高裁で弁論が開かれる。北さんは自身の被害を妻にも長年言えず、妻が亡くなる直前に告白した。