円相場や株式市場に大きな影響を与える米国の金融政策。その舵取りを担うFRB(連邦準備制度理事会)が今週開く会合に世界中の注目が集まっている。櫻井玲子解説委員が「米国経済が加熱しすぎず、また冷めすぎることもないよううまく管理をするのがパウエル議長の一番の仕事だが、なかなか悩ましい局面を迎えている。FRBは、今年9月から景気をテコ入れする利下げを2回にわたって進めてきた。今回の会合では3回目の利下げに踏み切るだろうというのが市場関係者の大方の予想だが、一方でFRBはこの先どこまで利下げを続けるのだろうという声も一部から上がっている。最新の消費者物価指数は2ヶ月連続で伸びが加速。個人消費も顕著。さらに暗号資産の価格上昇はミニバブルの兆しさえ感じさせられる中、それでも景気のテコ入れを続けた方が良いのかという意見も聞かれる。また来月大統領に就任するトランプ氏の経済政策にも影響を心配されている。高い関税政策や移民の流入を抑える政策が物価高や人手不足を招き、インフレが再び悪化する恐れもある。パウエル議長が今後の金融政策の方向性についてどのような言及をするかが注目されている。(日本には)為替による影響が気になる。米国が利下げのペースを落とせば円安がさらに進むことも考えられる。今週はFRBの発表と同じ日に日銀の政策決定会合も開かれるが、日銀が先行きをどう読んで判断するかも問われそう」とスタジオで述べた。