日本、米国、オーストラリア、フィリピンの4か国の防衛相が米国・ハワイで会談した。会談では、海洋進出を強める中国を念頭に、東シナ海や南シナ海で深刻な懸念があるとしたうえで、南シナ海での一方的な現状変更や、緊張を高めるいかなる行為にも強く反対することを確認。自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、先月行われた4か国の共同訓練を継続して行っていくなど、連携を強化していくことを確認した。これに先駆けて行われた日米の防衛相会談では、米国の核戦力などで日本を守る拡大抑止を巡り、これまでの事務レベルでの協議に加え、閣僚級でも協議を行い、議論を深めていくことで一致した。一連の会談を踏まえ、木原防衛大臣は「インド太平洋地域の平和と安定確保のため全力で取り組んでいく決意」とコメント。先月の4か国での共同訓練に続き、今回、防衛相が一堂に会した背景には、海洋進出を強める中国への強い危機感がある。日本は、沖縄県の尖閣諸島を巡る問題、フィリピンは南シナ海で領有権争いを抱える中、4か国で連携して、共通の課題に対処していく姿勢を強調した。米国一国では対処できず、それぞれが役割の拡大を求められているともいえる。日本にとっては、今の憲法に基づく専守防衛の理念の下、何ができるのかを検討することが、一層問われることになりそう。