大分市・由布市にある資産家の家に中国人と日本人が侵入し、住人を拘束した後、解体した金庫から金品を奪っていた。強盗団を率いていたとされるのが武田輝夫で、覚醒剤の密輸に関わる罪で中国にて死刑判決を受けた。元死刑囚は八王子スーパー強盗殺人事件に関する情報を持っていると証言し、警視庁が捜査員を派遣した。2001年頃に知り合った中国人男性Kがカギを握っているようで、強盗団の間では通訳者として重宝される存在だったという。2002年、偽造パスポートで中国へ出国した疑いがあり、警察は旅券法違反の容疑でカナダにいるKの身柄引き渡しを求めた。2013年11月、Kは日本へ移送され、八王子の事件に関する聴取が行われたが、「何も知らない」、「全く関係ない」などと供述。Kはカナダへ帰国することとなった。
警視庁はKの捜査と並行し、銃弾の線条痕など物証の捜査も進めたが、犯人特定には至らなかった。カナダにいるKに取材をしたところ、「死刑囚のせいで中国に帰国できなくなった」と話しつつ、「ここで働いているのでいつでも会える」などと返答。事件の被害者の1人、矢吹恵さんが通っていた学校では毎年、追悼会が催されている。取材班は元麻薬密売人のカルロス氏、中国を拠点に麻薬を密売していたとされる元暴力団員に接触した。元暴力団員は元死刑囚、カナダにいるKと近い関係にあり、日本の刑務所に服役中。さらに警視庁が聴取していた複数の接点がある女性にインタビュー。95年頃、あるクラブで拳銃を携帯する男がいて、女性は周囲の客に人となりを訊ねると、「オワダの事件と関わっているらしい」と言われたという。オワダとは大和田、八王子スーパーの住所を指しているのか。しばらくすると、男はクラブに姿を見せなくなったという。特別捜査本部の担当理事館である大井英世氏は「今の技術で再鑑定できるものはないのか、1点1点見て確認している。諦めません」などと話す。元幹部の原雄一氏は退職した現在も手がかりを求めている。