ホンダと日産自動車はきょうの取締役会で、経営統合に向けた協議を打ち切ることを決めた。ホンダが打診した子会社化の案を日産が受け入れず、両社の溝が深まったためで、日本を代表する自動車大手どうしの経営統合は実現しなかった。両社は持ち株会社を設立したうえで、両社を傘下に収める形での経営統合を目指して協議を始めたが、ホンダはその後経営の主導権を強めるため、この枠組みとは別に日産の株式を100%取得して完全子会社化する案を打診。そのうえで「この案を受け入れなければ協議の継続は難しい」という考えを示し、この案に強く反発した日産が経営統合の協議を打ち切る考えをホンダ側に伝えていた。両社の経営統合には、規模の拡大を通じてEV電気自動車やソフトウエアなどの開発力の強化や、協業によるコスト削減などを進めるねらいがあったが、統合協議の打ち切りによって両社とも戦略の見直しを迫られることになる。