擁壁は盛土と住宅の重みに耐えられるように強固に造られているがよく見ると、欠けてはがれた箇所がある。土地の購入時、古い擁壁があったことは男性も認識していたが、いつ造られたかなど詳しい説明は不動産会社や施工会社などからなかったという。男性が擁壁を心配するきっかけとなったのが去年杉並区で起きた事故。高さ約4~5mの擁壁が崩れ、木造2階建て住宅1棟が全壊。けが人はいなかったものの向かいのマンションに大量の土砂とがれきが流れ込んだ。根本的な原因は擁壁は私有財産のため。維持、管理するのは所有者の責任。杉並区は擁壁の所有者に対し昭和59年以降、11回にわたり改善を求め行政指導を行ってきた。所有者は簡易的な補修をするなど改善の意思を示していたまま指導を重ねることしかできなかったと説明している。擁壁の多くが老朽化しているとみられ、各地で崩壊が相次いでいる。おととし、神奈川県伊勢原市の国道で擁壁の崩壊事故が発生。車2台が巻き込まれた。原因は老朽化以外にもある。崩れた土砂は多くの水を含んでいた。崩壊の約20日前、都内は記録的な大雨に見舞われていた。京都大学の釜井名誉教授は大量の雨が降ると水圧が増えるため擁壁にかかる圧力が大きくなるとして、大雨が擁壁の崩壊を引き起こすきっかけになった可能性を指摘。見極めるポイントは?水抜き穴から水が流れているか、亀裂がないか。大きなひび割れやふくらみがあった場合は自治体に通報するなどして危険情報の共有を。付近を歩かないことが身を守ることにつながる。
