作業効率を上げてもなかなか解決できない根深い問題が、ドライバーの賃金アップ。東京・東久留米市の東邦運輸の中島秀治社長は“給料アップはかなり厳しい”と本音をもらす。そもそも物流業界では、荷物の配送を大手運送会社から下請けの会社に依頼し、さらに孫請けの会社も存在するなど“多重下請け構造”が日常化。下請けされるほど配送運賃は減っていくため、そもそも大手運送会社からの支払いがアップしないことにはトラックドライバーの給料を上げられない。国交省が示す適正運賃は、関東を4時間走る場合は2万7470円だが、しかし、大手運送会社の依頼は8000円ほどになっていた。適正運賃に遠く及ばない金額で“安く買いたたかれる”下請けの運送会社。それでも中島社長は「あるところ(運送会社)だけがもうかる。言葉は悪いですけど、今はそういう形になっていると思う。それが末端もちゃんと行き渡るように、そのような体制になるには、いいチャンスかもしれない」と話す。