群馬と長野の県境付近の山奥に暮らす85歳の辰治さんを訪ねた。家には欅で作ったという「けや子」の人形が置いてあった。辰治さんはブロックの壁やお風呂も自作したと話した。育苗ポットにコンクリートを詰めてダンベルも自作した。ウォーキングにサンドバッグ、ダンベルと1時間のトレーニングを続けている。家は標高550mの山奥にあり最寄りのスーパーまでは往復1時間以上はかかるため、多くの食材を冷凍してストックしている。花豆の煮付けを振る舞ってくれた。またスタッフと一緒にレーズン入りのお饅頭を作った。辰治さんは22歳ですき子さんと結婚し幸せな日々を送っていたが、8年前すき子さん80歳のときにアルツハイマー病を発症。3年間介護したが症状が悪化し、街の介護施設へ。辛さを忘れるため自分は一人暮らしだと思い込むようになり、毎晩大量の酒を飲んだ。2年前に彫刻に興味を持ち、寂しさを紛らわすためけや子を彫った。けや子は心の支えになり、禁酒にも成功。定期的に妻がいる施設に通えるようになった。