今回は半導体について、2030年には市場が1兆ドル規模になるとの予測もある中新たな動きが起きている。半導体を巡っては米国と中国が激しく対立しているが今注目なのが東南アジア。米中双方と友好関係にあり対立から距離を置いている国が多いことから世界中のメーカーがここに投資を加速させている。半導体業界で存在感を高めつつある東南アジア、その最前線を取材した。ドイツの半導体メーカー「インフィニオンテクノロジーズ」がマレーシア・ケダ州に半導体工場を建設、その完成を祝う式典が開かれた。投資額は約3000億円、EVなどに使用されるパワー半導体の生産を行いアメリカ中国などの各地メーカーに供給する計画。マレーシアでは米国・インテルもAI向けの半導体工場を建設中で建設ラッシュに沸いている。背景にある米中対立で輸出規制の動きを強める中半導体メーカーは生産拠点の分散化多様化を迫られている。マレーシアはかつて安い人件費と豊富な労働力が求められていたが現在は外交政策で選ばれ中立を掲げるバランスの取れた外交姿勢が進出する企業にとって魅力となっている。政府も積極的で5月には海外の半導体企業誘致などに8000億円を投資する制作を打ち出した。ペナン州政府が官民一体で政策を進めるシリコン・アイランドは空港側に東京ドーム200個分の人口島を作り半導体工場用地として活用してもらう目的。島では電力を再生可能エネルギーでまかない半導体研究機関も設置、3年後の工場稼働を見込んでいる。ペナン州政府高官のザイリルさんは「シリコン・アイランドはマレーシア全体の発展に貢献すると期待、22万人の雇用を創出しGDPに約37兆円の貢献をすると予測されている」などと話した。1991年にマレーシアに進出した半導体製造装置を手掛ける京都のメーカーは世界からのマレーシア進出の動きに対応するため生産能力を3倍にしさらに拡大していく方針だという。
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