東京メトロ丸ノ内線は朝のラッシュ時には2分に1本の間隔で運行。頻繁する遅延に悩まされていた。地下鉄で新たに導入された列車の制御システム、カギになるのは無線機。運転席や路線上に無線機を設置。去年12月から列車の位置を正確に把握できるようになったことで、遅延を速やかに解消できるようになった。これまでの仕組みでは列車の位置は信号機で区切った一定の区間内にいることしか分からなかった。そのため、遅延した列車が前に進んでも一定の区間を抜けるまでは後続の列車は前に詰めることができなかった。連鎖的に遅れが広がり、定時運行に戻すまでに数時間かかることもあった。新たなシステムでは前の列車との間隔を1m単位で把握。安全な距離を保ちながら、間隔を詰めることが可能になり、後続の列車への影響を最小限にすることができるようになった。導入前は朝のラッシュで遅れが発生すると、10時台まで遅れが続いていたが、導入後は遅れが出ても短時間で解消できることが確認された。また、5分以上遅れた場合に発行する遅延証明書を出した日数を比べると、平均で半分以下に減少した。会社では来年度以降、日比谷線と半蔵門線にもこのシステムを順次導入する計画。