台湾の電子部品大手ヤゲオはさいたま市にある温度センサー大手の芝浦電子とのTOBを成立させ販売網の拡大に向け協力すると発表した。今日、ヤゲオのピエール・チェン会長らが芝浦電子の工場を訪れ、従業員に経営方針について説明した。ヤゲオは電子基板などに搭載される電子部品の世界大手で、アメリカのApple、NVIDIAなどを顧客に持つ。ヤゲオは今後、手続きを進め、来年の3月までに完全子会社化を目指している。今年2月、ヤゲオは芝浦電子の同意がないまま買収を提案し、5月にTOBを開始。買い付け価格は複数回引き上げられ買収総額は、およそ1090億円となった。最終的に芝浦電子は今回の買収が自社の成長につながるとみて賛同した。芝浦電子の温度センサーはおよそ1000度まで検知ができ数百度までしか検知できない一般的な温度センサーに比べ性能が高いのが強み。ヤゲオは、こうした技術を生かしさらなる市場開拓を狙っており、芝浦電子も今後AI分野に参入し海外シェアを高めたい狙いがある。今、こうした電子部品の分野における台湾企業からの買収出資は増えている。ただ、買収により懸念されるのが技術の漏えい。ヤゲオ側は、技術は日本にとどまるとしているが専門家は「技術流出とある程度の対日投資の受け入れとのバランスの軸をどこに取るかは一つの課題ではないか」と指摘している。
