来年度予算案の編成に向けて、国土交通省は住宅の耐震化を促す事業などを盛り込んだ概算要求をまとめた。一般会計の総額は今年度予算を18％上回る7兆円余りとなっている。来年度予算案の概算要求で国土交通省は、今年1月の能登半島地震で古い耐震基準の住宅の被害が多かったことを受けて、全国を対象に住宅や緊急車両が通行する道路沿いの建物の耐震化を促す事業などに300億円を盛り込んだ。耐震工事を行う場合に自治体からの補助に加え、国からも補助を上乗せすることなどを念頭に予算編成にあたって、具体的な制度を検討するとしている。また、地震の断水対策として上下水道の主要な施設への耐震化についても支援制度を設けるとしている。このほか、羽田空港で起きた航空機同士の衝突事故を踏まえ、全国の主要な空港で滑走路への誤った進入を防ぐシステムを導入する事業などに19億円。バスやタクシーなどの移動手段の確保が難しい交通空白地と呼ばれる地域の解消に向けて、ライドシェアの普及や自動運転の実用化を進める事業に331億円を盛り込んでいる。国土交通省の概算要求の一般会計の総額は今年度予算を18％上回る7兆330億円となった。